屋根の瓦棒葺き（かわらぼうぶき）とは？特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説！

１瓦棒葺き（かわらぼうぶき）とは？

●瓦棒葺きの構造

瓦棒葺きとは、「瓦棒（かわらぼう）」という角材を、30～45㎝程の間隔で屋根に取り付け、それを土台にして金属の屋根材を施工していく方法のことを言います。

「瓦」という文字が入っているため、瓦屋根の一種かな？と思われる方もいるかと思いますが、そうではなく、施工されるのは金属の屋根です。

縦方向に屋根材を設置していくので、「縦葺き」の一種で、通常の横葺き屋根とは少し異なった印象になりますね。

瓦棒葺きの屋根	通常の横葺き屋根

●主にトタンかガルバリウム鋼板で施工される！

瓦棒葺きが施工されるのは、金属屋根である「トタン」か「ガルバリウム鋼板」がほとんどです。

耐久性や錆びにくさなどの面で、トタンよりもガルバリウム鋼板の方が優れているとされているため、新しく施工される際はガルバリウム鋼板がおすすめです。

どちらも金属であるため、他の瓦屋根やスレート屋根などの屋根材に比べて軽量で、耐震性に優れているという特徴があります。

２瓦棒葺きのメリット

瓦棒葺きの屋根のメリットとしては、雨水の排水性がいい点や、施工が簡単で費用を抑えられる点などがあげられます。

●排水性が良い

縦方向に凹凸がないため、雨水が流れていきやすいというのは大きなメリットの一つです。そのため勾配（屋根の傾斜）が少ない屋根などでも施工することができます。

●費用を抑えられる

一つ一つの屋根材が大きく、あらかじめ工場で屋根のサイズに合わせて加工した屋根材を取り付けるだけなので、施工が簡単で費用が抑えられるという特徴があります。

時間がかからないため工期が短いというのもメリットの一つでしょう。

●重量が軽い

これは瓦棒葺きというより金属を使用した屋根に言えることですが、瓦やスレートなどに比べて重量が軽いため、建物への負担が少なくなるというメリットがあります。

３瓦棒葺きのデメリット

瓦棒葺きの屋根のデメリットとしては、内部の木材が雨水などで腐食しやすいことや、デザインの好みがわかれることなどがあげられます。

●内部の木材が腐食しやすい

瓦棒葺きでは、先にも書いた通り、「瓦棒」と呼ばれる木材を土台として使用します。

この木材が水を吸い込んでしまうと腐食などを起こしやすく、劣化を早めてしまうというデメリットがあります。

●デザインの好みがわかれる

横葺きに比べてシンプルな印象になりますが、人によって好みがわかれるところでしょう。デザインのバリエーションも横葺きよりも少なくなりがちです。

●遮音性や断熱性が低い

こちらも金属屋根全般に言えることですが、瓦屋根などの厚みのある屋根材と比べて遮音性や断熱性が低くなってしまうというデメリットがあります。

４瓦棒葺きが進化した「縦ハゼ葺き」とは

瓦棒葺きと見た目がよく似た施工方法に「縦ハゼ葺き（立平葺き）」というやり方があります。

先ほど、瓦棒葺きのデメリットとして内部の木材が腐食してしまうという点をあげましたが、このデメリットを解消するために考えられたのが「縦ハゼ葺き（立平葺き）」です。

●縦ハゼ葺きの構造は？

縦ハゼ葺きでは土台の木材を使用せず、金属同士を折り曲げることでかみ合わせて固定していきます。

木材がそもそも入っていないため、水を吸って腐食などを起こすこともありません。

木材の部分が細くなるため、よりスタイリッシュな印象になります。

瓦棒葺きに比べてメリットが多いため、新しく施工する場合にはガルバリウム鋼板を使った縦ハゼ葺きが主流です。

５瓦棒葺き屋根のメンテナンスについて

瓦棒葺きの屋根で、錆や凹み、屋根材のめくれなどの不具合がみられる場合には、葺き替え工事などのメンテナンスを行いましょう。

塗装やカバー工法もできないわけではありませんが、瓦棒葺きの屋根では劣化が目立ってきた時点で内部の木材の傷みや屋根材そのものの劣化が進んでいることも多く、より性能の高い縦ハゼ葺きでガルバリウム鋼板などの屋根材に早い段階で葺き替えてしまうのも一つの方法でしょう。

依頼する業者は、基本的には金属屋根などの施工を専門とする「板金工」と呼ばれる職人がいるところを選びましょう。

屋根コネクトでも、優良業者のご紹介などを承っておりますので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。