急な雨漏りの対処法!応急処置・DIY補修の方法と信頼できる業者の見つけ方
ある日突然発生する雨漏り。
晴れている時は被害がないので対処が遅くなりがちですが、徐々に家全体を蝕んでいきます。
木材の腐食やカビの発生、シロアリ被害、さらにはぜんそくの原因にも!
雨漏りを見つけたらできる限り早い対応が重要です。
本記事では一番初めの応急処置から雨漏り原因の特定方法、DIY補修と信頼できる修理業者の探し方までまるごとご紹介します!
1雨漏りの応急処置
ポタポタと天井から水が!!雨漏りを発見したら、何よりもまず被害を広げないことが大切です。
たまに水が垂れる程度でも放置しているとどんどん床や家財が傷んでしまいます。
この章では最初にすべき応急処置の方法をご紹介します。
①天井から狭い範囲で雨漏りしている場合
天井から水滴が垂れるような雨漏りはかなり重症です。
一刻も早く修理が必要ですが、雨漏りが発生している間はとにかく室内に被害が広がらないように処置をしましょう。
中に雑巾を入れたバケツ(などの器)で受け止めるのが基本です。
雑巾を入れるのは、水滴の飛び散りと水音を抑えるため。
放置している間に溢れることもあるので、周囲に新聞紙や雑巾を広げておくと安心でしょう。
ちょうどいい器がない場合は、オムツやペットシートなどでも代用できます。
②天井から広範囲に雨漏りしている場合
雨漏りの範囲が広く、バケツ一つで対処できない時は、雨漏りしている箇所全体にゴミ袋をかけ、一点に集めてから器で受け止める方法もあります。
強力なテープで貼り付けてしまうと跡が残ってしまうことがありますので、その点には注意しましょう。
雨漏りの程度によっては糸をつけた画鋲を濡れている部分に刺し、糸を伝わらせてバケツに集めることも可能です。
③天井裏に入れる場合
屋根から漏れてくる場所を特定できるなら、天井裏にビニールシートと給水シートを設置して階下への被害を防ぎましょう。
バケツの上げ下ろしが大変な場所なので給水シートを活用するのがおすすめです。
天井を踏み抜かないよう、移動時は梁の上を歩くようにしましょう。
④窓枠から雨水が漏れてくる場合
窓枠からの雨漏りは壁を伝って被害が広がりやすいため、非常に厄介です。
濡れている部分を拭き取ったら、すみやかにサッシ部分に雑巾をあてがいましょう。
新聞紙やタオルで周辺を抑えておくと多少周囲の被害を防げます。
入ってくる水の量が多く雑巾で防ぎきれない時は給水シートで抑えると安心です。
2雨漏り場所の特定
応急処置を済ませたら、次に必要なのが雨漏り場所の特定!
雨漏りの原因箇所によって補修内容は変わってきます。
原因が複合的でかんたんに特定できないこともありますが、まずはよく調べてみましょう。
雨漏りの原因となりやすい場所は①屋根 ②窓 ③ベランダ ④壁の4つです。
①屋根
↑雨漏り原因箇所と被害箇所がズレる原因
屋根からの雨漏りは雨の侵入箇所と染みができる場所が一致しないことが多いです。
構造上、下地の上に防水紙を敷き、さらに瓦などの屋根材を重ねているため、屋根材に穴が空いたとしても直ちに家の中に水が入ってくるわけではありません。
防水紙に隙間や穴があいた部分から屋根裏に雨が侵入し、雨漏りとなります。
外から特定するのは難しい面もありますが、まずは見える範囲で屋根材の割れや剥がれ、穴を探してみましょう。
瓦屋根のおうちでは屋根の頂点部分の「漆喰」が崩れていないかもチェックしてみてください。
金属屋根(トタン・ガルバリウム )では錆びた部分から雨漏りが起きることがありますので変色の有無を確認しましょう。
↑白い部分が漆喰です。崩れてくると中の土が流れ出してきます。
また、板金部分からの雨漏りも多いです。
板金とは薄く加工された金属の板のことで、屋根のつなぎ目部分から雨・風・害虫等が侵入するのを防ぐために施されています。
もともと雨が入り込みやすいところにつけられるものなので、錆びて腐食したり隙間ができたりするとすぐに雨漏りが発生します。
台風などの強風による浮き上がり、経年劣化による錆・穴がないか見てみましょう。
②窓
↑窓枠のコーキング。10年ほどで劣化します。
窓からの雨漏りは窓自体(窓枠)から水が入っているケースと、窓の周囲に損傷があるケースの2種類があります。
圧倒的に多いのは窓と壁の隙間を埋めるコーキング(目地材)の劣化です。
コーキング剤とは建物のちょっとした隙間を埋める充填剤のことで、緩衝材のような役割も果たしています。
はじめはシリコンやゴムのような弾力ある質感ですが、経年劣化とともに固くなり、ひび割れや剥がれが発生します。
コーキングの寿命は約10年前後と言われているので、定期的に隙間を除いてみましょう
窓枠部分を中心にひどく雨漏りするならコーキングの劣化が原因であることが多いです。
一方で、窓自体というより窓の周囲が濡れている場合は周辺のガラス・換気扇に問題が隠れているかもしれません。
原因のわからない雨漏りは少し視野を広げて周辺部分を調べましょう。
③ベランダ
↑ベランダの防水層が劣化すると水が染みて雨漏りの原因になります。
実はベランダも非常に雨漏りしやすい箇所のひとつ。
ベランダに通じる窓周辺や壁はもちろん、ベランダの下の部屋にまで被害が及ぶケースも多いです。
ベランダの雨漏りは排水溝に問題が生じているか、防水層自体が劣化している可能性があります。
排水溝については水を流してみてスムーズに吸い込まれるか、異音がしないか見てみましょう。
詰まってしまっているなら大きいゴミやホコリを取り除いて再チェック!
排水溝カバーもつけておくと安心です。
一方、防水層の劣化は自分では対処できません。
ベランダの下の階まで水が伝っていくことも多いので、速やかに業者に修理を依頼しましょう。
④外壁
↑外壁の隙間を埋めるコーキングが劣化している様子
外壁の雨漏りは比較的症状が重いものが多いです。
水は上から下へと流れるため、壁(横向きの面)に雨染みができるということは大量に水が侵入しているということになるからです。
壁に雨染みができていたら、まずは外側にヒビ、穴がないかみてみましょう。
小さなひび割れでも内部で腐食が進行することがあります。
コーキングや防水テープでの応急処置が有効です。
また、外壁のつなぎ目部分(換気扇の周辺、サイディングボードの接着部分、屋根と壁の接合部)のコーキングが劣化している可能性もあります。
コーキングは劣化しやすいので定期的な補強が必要です。
2自分でできる雨漏りDIY補修
はじめにも書いた通り、雨漏りは放置していると家全体を蝕んでいきます。
早めの修理が必要ですが、なかなか業者が見つからないこともありますよね。
本章ではDIYでの雨漏り補修方法をご紹介します。
DIYで補修できるのは①コーキング ②防水テープ ③雨樋・排水溝の詰まり解消の3つです。
※屋根に登るのは危険ですので絶対にやめておきましょう。死亡事故も多く発生しています。
①コーキング
↑コーキングガンでコーキングを行う様子。マスキングテープではみ出しを防いでいます。
窓枠や小さなひび割れはコーキングの補強で対処できます。
必要なものは
・プライマー(コーキング下地)
・マスキングテープ
・コーキングガン
・コーキング剤
の4つ。
補修したい部分を清掃し、マスキングテープで周囲を保護してからコーキング剤を充填していきます。
本来は既存のコーキングを剥がしてから行うのですが、失敗するとさらに雨漏りを悪化させることがあるため、増しうち(上からコーキングを重ねる)をしましょう。
コーキングガンは扱いに慣れていないと均等に打ち出すことが難しいため、事前に練習してから作業するのがおすすめです。
また、コーキング剤の選択にもポイントがあります。
コーキング剤には、
・シリコン系
・変性シリコン系
・ウレタン系
・アクリル系
の4つがあり、それぞれに特徴が異なります。
雨漏り補修に向いているのは、撥水性の高いシリコン系・変性シリコン系コーキングです。
シリコン系は塗料が弾かれてしまうので、外壁など上から塗装する箇所には変性シリコン系のコーキング剤を使いましょう。
②防水テープ
雨樋の割れや窓枠部分の雨漏りに便利なのが防水テープ。
コーキングガンと比較すると失敗が少なく、手軽なのが特長です。
防水テープには
・ブチルテープ(合成ゴム製のテープ)
・アルミテープ
の2種類があり、耐久性はアルミテープの方が優れています。(ブチルテープも応急処置に使えます。)
汚れを落として水分を拭き取った後、水の流れに逆らう向きで密着させて貼るのがポイントです。
③雨樋・排水溝の詰まり解消
↑雨樋の詰まりによる雨漏り。溢れる前に清掃が必要です。
雨樋やベランダの排水溝のつまりは、掃除で解決しましょう!
大きいゴミ、手がとどく範囲のゴミは手袋を付けた手やトングで、
奥の方まで入り込んでしまっているものはブラシ付きワイヤークリーナーを使うと取り除くことができます。
また、掃除を終えた後にネットを設置しておくと次回以降のお手入れが楽になります!
4原因がわからない……雨漏り以外の可能性
ここまで、雨漏りへの対処法をご紹介してきましたが、「雨漏りに似た症状が出ているのに実際には違った!」というケースも存在します。
どうしても雨漏りの原因が見つからない場合、もしかしたら別の問題を抱えているのかもしれません。
①漏水
雨が降っていないときも水が出てくる、急に始まっていつまでも止まらないなら、それは水道管の異常による漏水かもしれません。
天井からの漏水の場合は特に雨漏りと間違いやすいので注意が必要です。
見分け方は水道のメーター!
家中の水道を止めてもメーターが回り続けていたら漏水の可能性が高いです。
放置している間に被害が広がりますし、水道代金もかかってしまいますので、一刻も早く業者に相談しましょう!
②結露
結露とは空気中の水蒸気が冷やされることによって水にかわり、付着すること。
寒い時期に暖房を入れていると部屋の内外の気温差で発生することが多いです。
最近の家は気密性が高いため夏でも発生することがあります。
雨漏りと見分けるポイントは「水漏れが発生する時期」と「場所」。
雨漏りは外から水が侵入している状態なので、季節問わず雨が降った場合に起こります。
また、侵入場所のみが濡れるため、天井・窓・壁の一部だけにシミが広がる場合は雨漏りの可能性が高いです。
一方で結露は気温差が大きい場合に起き、換気をすることで改善されます。
範囲は広範囲に及ぶことが多く、窓・天井の全体が濡れているなら結露の可能性が高いです。
例外として屋根裏で結露が起き、雫として垂れてくるケースがあります。
この場合は屋根裏をこまめに換気することで改善されるでしょう。
5悪徳業者・信頼できる業者の見分け方
雨漏りは単純な破損と違って対応を誤ると再発する厄介なもの。
自分で修理すると失敗することも多く、被害が拡大してしまうこともあるので早めに業者に連絡を取り修理を開始しましょう。
ただし、悪徳業者には注意が必要です。
国民生活センターにも多く相談が寄せられている訪問販売、点検商法には特に気をつけましょう。
以下に当てはまったら悪徳業者の可能性があります。
①悪徳業者の見分け方
●急な訪問
突然訪問してきて「近くで工事をしていて屋根瓦の破損に気づいた」「このままでは雨漏りで大変なことになる」などと語り、契約を迫るケースは怪しいです。
悪質な場合、安く直すと言って屋根に登り、わざと瓦を壊して追加で修理をさせられることも!
善意の提案だと思ってもすぐには屋根に登らせず、きちんと調査・修理してくれる業者を探しましょう。
●「火災保険で無料」を強調する
突然訪問してきて「火災保険で補償が下りるから実質無償でリフォームできる」など、過剰な表現で強引に契約を結ばせようとするケースも注意が必要です。
火災保険は経年劣化には使えないですし、補償額も満額出るとは限りません。
焦って契約してしまうと実際には補償額が足りず高額な自己負担が発生したり、工事をやめようとすると解約金を請求されることもありますので、不審な業者とは契約をしないようにしましょう。
※「台風等の強風で屋根・外壁が破損し雨漏りが発生した(板金破損・浮きも含む)」なら火災保険が適用できる可能性が高いですが、経年劣化については補償対象外になります。
※引き渡しから10年以内の新築住宅の場合は住宅瑕疵担保責任保険の対象になります。
建築時の施工業者に雨漏り補修の費用を請求することができますので、まずは施工業者に連絡しましょう。
●見積もりの詳細が不明
見積もりをとった際、詳細が開示されているか確認するのも重要なポイントです。
必要な修理が含まれているか、どの部分に大して費用がかかるのか内訳を説明しない業者は不親切です。(ごく簡易的な工事の場合を除く。)
「工事一式○○円」だけでなく、誠実に説明してくれる業者をおすすめします。
②相見積もりのすすめ
では、悪徳業者に騙されず安心して工事を行うにはどうしたらいいのでしょうか。
基本的には「相見積もり」を取るのがおすすめです。
相見積もりとは複数業者に見積を依頼して、費用や対応を比較すること。
複数の業者を見ることによって不審点に気付きやすくなりますし、本当に必要な修理内容を精査することにもつながります。
さらに、相見積もりによって当初の予定より大幅に価格を抑えられるケースも多いです!
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