ラバーロック工法とは?瓦屋根の修理・補修の基礎知識を解説!
瓦は屋根材の中でも耐久性が高く、多くの住宅で使用されています。
しかし、台風などの外的な要因や経年劣化などによってひび割れやズレなどが起こってしまうこともあります。
ラバーロック工法は大規模なリフォームというよりは、強風により瓦がずれてしまうのを防ぐために行うメンテナンス工事の一つです。
今回はそんなラバーロック工法と、瓦屋根の修理についての基礎知識をご紹介します。
1瓦屋根のよくあるトラブル
1-1 瓦屋根の劣化症状
瓦屋根の劣化症状としては以下のようなものがあります。
☑瓦のひび割れ
☑瓦のズレ
☑釘の浮き
☑漆喰の劣化
☑全体の色褪せ
☑コケなどの発生
ひび割れやズレであれば割れた箇所の瓦の交換だけで済むことも多いです。
釘の浮きは目視で見つけられることは少ないですが、早めに対処できればその後のトラブルを防ぐことにもつながりますので、もし見つけたら修理しておくのがおすすめです。
1-2 劣化がみられるときの注意点
●落下などの二次被害
瓦のひび割れ、ズレが見つかった場合には、落下などに十分注意するようにしましょう。
強風などある日はもちろん、そうでなくても落ちてこないとは言い切れません。
またもし自分で直す場合には、二次災害が起こらないように足場の安全などに十分注意して作業をするようにしましょう。
●下地や防水シートの傷み
ひび割れやズレがあると、雨が降ったときに水の侵入などのリスクがあります。
すぐに雨漏りすることは少ないですが、瓦の下にある防水シートなどが腐食してしまうと大がかりな工事が必要になります。
ひび割れを見つけたらできるだけ早く補修してしまうのが大切です。
●雨漏り
瓦のひび割れを見落としていた場合や、築30年以上で既に内部の防水シートなどが劣化している場合などは、雨漏りを起こす可能性があります。
酷くなると、下地まですべて取り換える葺き替えが必要になり費用も高額になってしまうため、雨漏り跡などに気づいた時点でできるだけ早く業者に依頼して原因などを確認してもらいましょう。
2修理方法と費用について
2-1 修理方法と費用一覧
修理の費用は規模や足場の有無によって様々ですが、瓦の交換など小規模なものであれば1~10万円程度、漆喰の修理や全体の釘の打ち直しなどやや大がかりな工事になると20~80万円程度であることが多いです。
修理内容ごとの費用の目安としては以下のようになります。
瓦の交換 | 5,000~15,000円 /1㎡ ※瓦の希少価値などによる |
---|---|
漆喰の部分補修 | 3,000~6,000円 /1㎡ |
漆喰の全体補修 | 20~70万円程度 |
釘の打ち直し | 10~60万円程度 |
棟瓦の積み直し | 50~150万円程度 |
セメント瓦の塗装 | 60~100万円程度 |
雨樋の補修(傾き・破損など) | 10,000~30,000円 /箇所 |
雨樋の全交換 | 15~30万円 |
※費用はあくまで目安です。
2-2 大規模な工事が必要な場合
下地の劣化や雨漏りなどにより、部分修理だけで対応が困難な場合には、全体の葺き替え工事や葺き直し工事が必要になります。
費用の目安としてはそれぞれ以下のようになります。
葺き替え工事 | 150~250万 |
---|---|
葺き直し工事 | 120~180万 |
屋根の面積によって大きく異なりますが、ここでは一般的に多い30~40坪程度の戸建て住宅を想定しています。
また、葺き替え工事の場合には、新しく選ぶ瓦の種類によっても費用が異なります。
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3ラバーロック工法について
3-1 ラバーロック工法とは?
ラバーロック工法とは、瓦同士をコーキング処理で繋ぎ強度を高める工事で、強風などによる瓦のズレや落下を予防したい場合に行うことがあります。
台風などの被害が多い地域や、海沿いの地域などでは行うことがあります。
瓦屋根の場合カバー工法がしにくい上に、葺き替えや葺き直しなどの費用が高額になることも多いため、一時的な修理として、ラバーロック工法は比較的安価にできるためやりやすい工事です。
ただし、瓦の再利用ができなくなる、将来的な屋根修理の費用が高額になる、間違った方法で行うと湿気がたまり下地が痛むなどのデメリットもあります。
3-2 ラバーロック工法の費用相場と事例
●費用、耐用年数、工期
費用 | 工期 | 耐用年数 |
---|---|---|
20~40万円 | 5~7日 | 5~10年程度 |
項目 | 単価 |
---|---|
新しい瓦(部分補修) | 5,000~15,000円/1㎡ |
コーキング材 (ウレタン系) | 500~700円/1㎡ |
コーキング材 (シリコン系) | 700~900円/1㎡ |
足場 | 500~1,500円/1㎡ |
管理費、諸経費 | 工事費用の 5~10% |
※費用は施工業者によって異なります。
●相談件数の多い時期について
1位:4月、2位:5月、3位:10月、4位:3月、5位以下:その他
屋根コネクト経由でラバーロック工法の相談が多い時期は、梅雨がくる前の4~5月が全体の半数をこえています。梅雨明けや台風シーズンの最中に瓦のズレが気になり、問い合わせをいただくことも多いです。
●工事の事例
【事例】瓦のズレが起こる前に対策を検討
■工事内容:台風で瓦が飛ばないように、ラバーロック工法を実地
瓦のズレや落下が原因で雨漏りが起こった話を聞き、事前に対策をとろうと決意。費用と工期を抑えるため業者と相談し、ラバーロック工法を行った。その際、欠けている瓦を新品と交換した。
工事内容 | 数量 | 単価 | 価格 |
---|---|---|---|
屋根修理 | |||
新しい屋根材 | 10㎡ | 6,000円 | 60,000円 |
屋根材撤去 | 一式 | 10,000円 | 10,000円 |
コーキング材 (シリコン系) |
45㎡ | 800円 | 36,000円 |
足場 | 230㎡ | 800円 | 184,000円 |
その他 | |||
諸経費 | – | 工事費用の5% | 14,500円 |
合計:304,500円(他、消費税などかかります。)
3-3 ラバーロック工法のデメリット
①瓦の再利用ができなくなる
→ラバーロック工法を行った瓦は、再利用することができません。
②将来的な屋根修理の費用が高額になる
→今後屋根修理を行う際に、コーキングを剥がす作業が増えるため、屋根材の撤去費用が上乗せされます。
③湿気がたまり、下地が痛む
→間違った方法でラバーロック工法を行うと、瓦の下にたまった湿気を逃がすことができず、湿気がたまり下地が痛む原因になります。
ここがポイント瓦を固定するために、四方すべてをコーキングしてしますうと湿気の逃げ道がなくなり、瓦内に湿気がたまります。正しくは、瓦の桟山部分あにのみ行います。
3-4 葺き替え工事とどっちがいい?
●ラバーロック工法に適した状態
①瓦屋根にズレが生じている
②台風が多い地域に暮らしているが、大きな被害が出ていない
③瓦屋根のまま地震対策を行いたい
屋根材の劣化が少なく、今後起こる台風や地震の被害を抑えたい場合にラバーロック工法は有効です。
●屋根葺き替え工事が適した状態
①雨漏りが発生している
②屋根の劣化が激しい
③築20年以上経過している
瓦屋根の場合、ラバーロック工法か屋根葺き替え工事のどちらかの工法で屋根修理を行います。雨漏りの発生や築年数が経っていると、防水効果のある下地が雨水を防ぐことができず、家全体の寿命が縮みます。
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3-5 工事の手順について
屋根修理工事は高所での作業になるため、工事の安全性を高める足場を組みます。足場組みがしっかりとしていない場合、作業途中で足場が崩れ思わぬ怪我に繋がる恐れがあります。
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現在の瓦屋根の状況を確認し、割れやズレが発生している箇所の補修を行います。部分的に瓦の交換をする場合、晴れた日の施工が必要になります。
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●平瓦部分
瓦同士が重なる山の部分へ、L字型にコーキング処理(シーリング処理)を行います。瓦の周囲全てを埋めると、湿気が屋根の内側に溜まるため、雨漏りの原因になります。
●棟瓦部分
3枚の瓦が重なるT字部分へコーキングを行うことで、突風や強風を受け、瓦ズレが起こるのを防ぐ効果があります。
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施工後1日で、コーキング材の表面は乾燥します。完全に乾燥するまでは3~7日かかることがあります。
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屋根への施工が終わった後、足場の解体と清掃作業を行います。
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4瓦屋根修理の業者選びについて
4-1 業者選びをする時の注意点
●訪問業者や悪徳業者に注意する
屋根に目立った損傷や全体の色あせなどがあると、訪問業者などに声をかけられることがあります。
「今すぐ工事をしないと危険」「今なら○○円安くなるので契約した方がいい」などの煽り文句につられてしまうと、杜撰な工事をされてしまったり、費用が高額だったりと、思わぬところでトラブルになる事があります。
屋根が壊れてしまうと不安もありますが、工事業者を選ぶ際には訪問業者などはできるだけ避け、即決はしないように落ちていて契約するようにしましょう。
●瓦屋根施工の知識が豊富な業者に依頼する
屋根工事を行う業者の中には、瓦屋根を専門とする業者以外にも、スレート屋根や金属屋根の施工を主に行う業者、リフォーム会社、工務店など様々な業者があります。
瓦屋根の工事を行う際には、瓦屋根専門の業者など施工の知識が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
●相見積もりをする
工事の見積もりは、1つの業者だけでなく、複数の業者に依頼して比較するようにしましょう。
業者はそれぞれに得意分野があり、勧められる工事の内容や費用は時に依頼する業者によって大きく異なります。
費用が妥当であるかを見極めて、悪徳業者などの被害にあってしまうのを防ぐためにも、相見積もりをできる限り行うのがおすすめです。
4-2 まとめ
瓦屋根のひび割れなどは、見つけた段階でできるだけ早く対処するのが大切です。傷みが広がってしまう前にしっかりと直しておくことで、無駄な出費を抑えることにもつながります。
相見積もりで、適正な価格で親切に対応してくれる優良業者を探し、早い段階で修理を行うようにしましょう。
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