業者依頼か自分でするのかで変わる、トタン屋根塗装

出典：http://tsumugian.seesaa.net/article/210420697.html

トタン屋根の塗装を考える前に
屋根自体の傾斜が緩く継ぎ目が少ないので、雨漏りしにくくなっていますが、鉄板自体が薄いので、定期的にメンテナンスで塗装を行わないと錆びてしまい、破損してしまいます。

塗り替えのタイミングは５年～８年と言われていますが、あくまでも目安です。

日光の当たり具合・風通し・湿度といった「気象環境」、勾配・谷樋・ドーマといった｢屋根の形状｣、高圧洗浄やケレン不足といった｢屋根の施工状態｣これらの状態によって、塗り替えのタイミングが異なってきます。また、塗り替えが２回以上になってくると、その塗装技術によっても時期が左右されるので、ベストタイミングというのはありません。

業者の言葉に惑わされないようにしましょう。

塗り替えの時期は、自分の目で屋根の状態を見て判断するしかありません。

はがれや錆びを発見したら、早急に対処しましょう。放置してしまうと、そこから穴が空いてしまうなど破損してしまいます。

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DIYと業者

｢トタン屋根だったら、自分で塗れるかも｣と思われる方もいらっしゃると思います。

逆に｢失敗したら嫌だから業者に任せよう｣と思う方もいらっしゃるでしょう。

手間を掛けて費用を掛けたくない場合はDIYですし、自分で塗り替えるのは自信がない、手間をかけたくない場合は業者に任せた方がいいでしょう。

トタン屋根の塗装手順

1.ケレン
下地処理の中で最も重要な作業です。劣化塗膜を除去したり、錆止め塗料の密着力を高めるのに既存の塗膜を目荒しします。
高圧洗浄の目荒しは、素材が鉄板であるトタン屋根では不十分なので、ワイヤーブラシなどの工具を使用したケレンをすることをおすすめします。
また、ケレンの程度によっていくつかに分類されます。トタンの塗り替えの良し悪しは、下地処理をどれだけ丁寧に行ったかで変わるといっても過言ではありません。

ケレンの種類	概要
２種ケレン	電動工具を使って、錆びている部分だけではなく、既存塗膜を除去する。
３種ケレン	錆びている塗膜は除去するものの、それ以外の錆びていない部分は除去せずに残す
４種ケレン	全体的にサンドペーパーやワイヤーブラシなどの手工具を当てる程度の処理

※１種ケレンは、ショットブラスやサンドブラストといった機械で既存塗膜を全て除去し、光沢のある表面にする方法ですが、建築の現場塗装では、あまり適応されません。

ケレンの種類によって使う工具、ケレンの度合いによって施工品質が異なり、費用も変わってきます。

2.錆止め処理を施す
トタン屋根の場合、錆止め塗料の塗布が下塗りの工程に当たります。錆止め塗料には主に、

■一般錆止め塗料
■シアナミド鉛錆止め塗料
■一液エポキシ樹脂錆止め塗料
■二液エポキシ樹脂錆止め塗料

などがありますが、どれも効果を発揮させるために、下地処理のケレンを適切な方法でしっかり行っていることが大前提となります。

3.中塗り・上塗り
下地に対する密着力や錆びの抑止効果は優れている錆止め塗料ですが、紫外線に対しては非常に弱いので、保護のために上塗り塗料を塗ります。通常２回塗ることで効果を発揮します。

また、耐久性はフッ素樹脂・シリコン樹脂・ウレタン樹脂・アクリル樹脂の順に弱くなっていきます。

同じ樹脂の場合、一液よりも二液の方が耐久性が高まるとされています。

これ以外にも、素材温度を下げてくれる遮熱塗料が開発されており、こちらもおすすめです。

ケレンの種類	仕上げ塗料の種類	概要
一般	合成樹脂系塗料	￥1,400
	編成アクリル樹脂塗料	￥1,500
	１液型シリコン変性樹脂塗料	￥1,720
	２液型ポリウレタン樹脂塗料	￥2,040
	２液型エポキシ変性ポリウレタン樹脂塗料	￥1,900
	２液型フッ素樹脂塗料	￥2,500
	２液型フッ素樹脂塗料	￥4,200
遮熱	２液型ポリウレタン樹脂塗料	スタンダード￥2,400 ハイグレード￥3,280
	２液型シリコン変性樹脂塗料	スタンダード￥2,900 ハイグレード￥3,480
	２液型フッ素樹脂塗料	￥5,000
防音遮熱	制振防音塗布材+遮熱塗料（アクリルシリコン樹脂塗料）	￥4,800

10坪～30坪のトタン屋根の塗装を業者に依頼した場合、平均は足場を含めて35万円～120万円ぐらい掛かります。これを自分でやると、道具と塗料、足場が必要な場合は足場の資材のみとなります。

自分で塗装を行う際に必要な道具

DIYでトタン屋根を塗装するのに、｢これはあった方がいい｣と思われる道具です。

■ハケ類
・ローラーバケ…広い所を塗装するのに便利なハケです。幅は100mm・180mm前後・230mm前後があります（メーカーによって多少の違いはあり）塗料をつけると重くなるので、女性はミドルローラーかスモールローラーがおすすめです。

・すじかいバケ…柄がハケのラインに対して45度傾斜しています。細かい部分が塗りやすくなっています。

■下地調整用具
・受け皿…ローラーバケに塗料を付ける際に必要になるのが塗料を出す受け皿です。サイズも色々ありますので、ローラーの幅に合わせて選びましょう。

・皮スキ…ケレンを行う際に使用する道具です。

・充填剤…シリコン系・セルロース系・アクリル系などがあり、ヒビや隙間を埋めます。充填剤の種類によって、用途が異なりますので確認してから購入しましょう。

・ワイヤーブラシ…針金によって作られ他ブラシです。主に素地の汚れなどを落とします。

・デッキブラシ…屋根にこびりついているコケなどを落とします。

・ハケ洗い用バケツ…ハケを洗う用のバケツです。

■養生製品
・マスキングテープ…塗料が付いたら困る所に、あらかじめ張っておくテープです。

塗料と主な特長

自分で塗装を行う場合、何を基準に塗料を選んでいいか迷われる場合がありますが、安い塗料に良い塗料は少ないと考えられますので、多少高くてもいい塗料を使うようにしましょう。

塗料によって特長が異なるので、そちらも基準に選ぶといいかもしれません。

■油性シリコントタン用…酸性雨・紫外線・塩害・汚染に強い
■油性トタン用塗料…強力な錆止め力
■水性トタン用塗料…乾燥まで１時間という速乾性

トタン屋根の塗装に掛かる費用（業者に依頼した場合）

ケレンの種類	仕上げ塗料の種類	概要
一般	合成樹脂系塗料	￥1,400
	編成アクリル樹脂塗料	￥1,500
	１液型シリコン変性樹脂塗料	￥1,720
	２液型ポリウレタン樹脂塗料	￥2,040
	２液型エポキシ変性ポリウレタン樹脂塗料	￥1,900
	２液型フッ素樹脂塗料	￥2,500
	２液型フッ素樹脂塗料	￥4,200
遮熱	２液型ポリウレタン樹脂塗料	スタンダード￥2,400 ハイグレード￥3,280
	２液型シリコン変性樹脂塗料	スタンダード￥2,900 ハイグレード￥3,480
	２液型フッ素樹脂塗料	￥5,000
防音遮熱	制振防音塗布材+遮熱塗料（アクリルシリコン樹脂塗料）	￥4,800

10坪～30坪のトタン屋根の塗装を業者に依頼した場合、平均は足場を含めて35万円～120万円ぐらい掛かります。

これを自分でやると、道具と塗料、足場が必要な場合は足場の資材のみとなります。

何に重点を置くのかで考える

業者に頼むと高くつくが、丁寧だし手間を掛ける必要もない。

自分でやれば費用は掛からず、自分で屋根の状態を確認しながら作業ができるので、今後に活かせる反面、転落の可能性がありますし、業者ではないので塗りにムラが出る、ケレン不足などで塗装面が劣化・剥がれやすくなるといったことが起こる可能性があります。

特にケレンの良し悪しで、塗装の仕上がりが決まると言っても過言ではないので、飽きっぽい方は業者に依頼をした方がいいかもしれません。

自分でこだわりたい・費用を掛けたくない方はDIY、飽きっぽい・多少費用が掛かってもきれいに仕上げたいという方は、業者に依頼するといいでしょう。

しかし、業者の中には悪徳業者もいるので依頼をする場合は、しっかりと塗装の相場や塗装のやり方を知った上で依頼をするようにしましょう。