瓦屋根は台風に弱い?万が一に備えて知っておきたい台風対策を解説
近年、大型の台風が度々発生し日本各地で大きな被害が出ています。
2019年の台風15号と19号による豪雨・暴風災害の様子が記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
瓦屋根は日本の多くの家庭で使用されていますが、その構造から風に弱いと言われることが多くあります。
台風による屋根被害のニュースなどを見ていて、不安になったという方もいらっしゃると思います。
今回は瓦屋根の家にお住まいの方に向けて、瓦は本当に風に弱いのか、台風が来る前にどんな対策ができるのか、また万一被害を受けてしまった場合どのような対応をすればいいのかをご紹介します。
1瓦屋根が台風に弱いと言われる理由は?構造から解説!
一般に、風に弱いと考えられている瓦屋根。瓦屋根が台風に弱いと言われるのは、その構造に理由があります。
瓦屋根はもともと、棟や軒先などの特定の場所を除いて1枚1枚の固定されておらず、挿し木と呼ばれる土台部分に引っ掛けられている構造をしています。
そのため、屋根材がすべて釘やビスで固定されているスレート屋根や金属屋根に比べて、強風などでずれなどが起きやすいと言われているのです。
しかし、瓦屋根にもいくつかの工法があり、すべての瓦屋根が台風に弱いというわけではありません!
瓦の素材自体の耐久性も非常に高く、見た目にも優れていることからメリットも多くあります。
また2020年には近年の台風被害などを受けて、国土交通省から瓦の1枚ずつの固定を義務化する法改正を行うという発表がありました。
そのため、今後の新築やリフォームでは、瓦屋根の強風耐性は大幅にアップすることが予想されます。
1-1 乾式工法と湿式工法
瓦屋根には大きく分けて湿式工法と乾式工法が存在します。
瓦屋根が風に弱いと言われるのは、湿式工法と、従来の乾式工法の場合です。
①湿式工法
湿式方法とは古くから行われてきた工事の方法で、杉板などの下地材の上に分厚く粘土を塗り重ね、その上に瓦を引っ掛けて屋根を形作っていくものです。
粘土を使うためかなり屋根自体が重くなるのと、瓦をビス・釘で固定しないので浮きやズレが発生しやすいという問題があります。
②乾式工法
●従来の乾式工法
現在最も多くの瓦屋根で行われている方法で、粘土を使わず下地の上に固定した木材に瓦を引っ掛けて固定します。
湿式工法と比べ屋根の重さが半分以下になるため、耐震性が高いのが特長です。
●新しい乾式工法
防災の観点から、近年は1枚1枚の瓦しっかりと固定するケースも少しずつ増えています。
また、国土交通省による法改正以降は、新築家屋などではすべての瓦を固定することが義務化されます。
●ポリフォーム工法
ハリケーンの被害が大きいアメリカ南部で採用されている工法で、瓦専用の強力な接着剤を使って瓦を固定します。
面で支えるため強度が非常に高く、釘やビスの穴がないため穴を伝って水が侵食することもありません。屋根の軽量化もでき、耐震性の面でも優れています。
つまり、昔ながらの工法では強風で飛ばされるリスクはありますが、瓦であってもしっかりと固定してある場合は心配しすぎる必要はないのです。
1-2 瓦屋根のメリット・デメリット
工法次第では弱点も克服できる瓦屋根ですが、阪神大震災で倒壊する家屋の映像が多く流れたことから避けられるようになってしまいました。
瓦屋根には優れた点も多くありますので、メリット・デメリットを並べてご紹介します。
瓦屋根のメリット
●耐久性が高い
瓦の種類にもよりますが、他の屋根材に比べ瓦屋根は耐久性が高く、寿命が長いことで知られています。
屋根の葺き替えはかなり費用がかかりますので、適切にメンテナンスをすれば長く使えるというのは嬉しいポイントです。
●遮音性、断熱性が高い
特に和瓦の場合、土でできていて厚みもそれなりにあるため遮音性・断熱性ともに優れています。夏は涼しく、冬は熱を逃さないので快適です。
雨の音も金属屋根に比べるとかなり軽減され、激しい雨の日でも比較的静かに過ごせます。
●一枚単位で交換できる
割れたり、欠けたりした場合、瓦屋根は1枚から交換が可能です。
万一台風で浮き上がってもその部分だけ修理ができるので、スレート屋根など全葺き替えが必要になる屋根材よりは大幅にメンテナンス費が安く済みます。
瓦屋根のデメリット
●重い
どの素材の屋根瓦を選んでも、やはり重さはネックです。
乾式工法で以前よりかなり屋根の総重量を抑えられるようになりましたが他の屋根材と比較すると一歩劣ります。
また、同条件の地盤・家の構造の場合屋根が軽いほど重心が低くなり、揺れにくくなるので、重い瓦屋根は耐震性の面でやや不利です。
●価格が高い
耐久性が高い分、他の屋根材に比べ値段も高めです。
長く使える分トータルで見ると得なのですが、どうしても初期費用はかかってしまいます。
2あなたの家の屋根は大丈夫?自分でできる台風前チェック
ここまで瓦屋根について解説してきましたが、自分の家の屋根がどんな構造になっているか、詳しくわからないという方もいらっしゃると思います。まもなく台風シーズン。
自分の家の屋根が大丈夫か不安な方に向け、台風が来る前に最低限チェックしたいポイントをご紹介しますので、ぜひ一度確認してみてください。
2-1 これだけはチェック!目視で3点確認のススメ
①瓦のズレ、浮き、割れ | ②漆喰部分の崩れ | ③雨樋の汚れや変形 |
---|---|---|
瓦屋根の場合、自分で確認したいポイントは瓦と漆喰の2箇所です。
合わせて雨樋も確認しておくと安心なので3点をしっかり見てみましょう。
①瓦のズレ、浮き、割れ
一番に見るべきは瓦の異常です。ズレ・浮き・割れがあると風に煽られて瓦が剥がれたり、破片が飛んで周囲に被害を及ぼしたりする可能性があります。
雨漏りのリスクも高まりますので、目視できる範囲でチェックしましょう。
②漆喰部分
屋根の三角形の上の頂点部分、瓦が半月状に積み重なっている場所を見てください。
瓦を固定する土が雨で崩れないよう漆喰で隙間を埋めているのですが、漆喰が経年劣化で崩れると土が泥状になり、流れてしまうことがあります。
こうなると最悪上に乗っている瓦が落ちてしまう可能性もあるので、白い漆喰部分がボロボロになっていないか、土が見えたり流れたりしていないかチェックしてみましょう。
特に漆喰は瓦と違って寿命が短く、10~15年でメンテナンスが必要な部材なので、長く放置している場合は注意が必要です。
③雨樋
屋根とは直接関係ありませんが、一緒に雨樋もチェックしておくと安心です。
落ち葉やゴミが詰まって排水がうまくいかなくなっていると屋内に水が侵入してしまうことがあります。
また、風で外れやすい部分でもありますので、取り付け箇所に異常がないか見てみましょう。
2-2 絶対に屋根には登らない!台風前チェックの注意点
自分で行う台風前のチェックは目視できる範囲で大丈夫です。
瓦屋根は滑りやすく、また足で踏んで割れてしまうこともあるので絶対に屋根に登らないようにしてください!
特に台風前は急な強風が吹くこともあります。
大型の台風が来るとほぼ毎回死亡事故が発生していますので、万一屋根の異常が見つかった場合もまずは業者に連絡するようにしましょう。
3もしも被害を受けてしまったら?修理の方法や費用について
気をつけていたけれど瓦が飛んでしまった、落ちてきてしまったといった場合はどのように対処すればいいのでしょうか。
被害の程度にもよりますが、壊れた部分だけを交換する、この機会に全体の葺き替えリフォームをするなどいくつかの選択肢があります。
台風による屋根の被害は火災保険の対象になることも多いので、保険のことも含めて解説します。
3-1 一部だけなら部分修理で。火災保険を上手に活用!
台風による強風で屋根瓦がずれてしまったときや、割れてしまったときは、ちょっとした振動で瓦が落ちて二次災害を引き起こす可能性があります。
早急に業者に依頼して修理を行いましょう。
瓦屋根の場合、工法にもよりますが一部がくずれてもその部分だけ部分修理をすることが可能です。
釘の緩みを戻す、漆喰部分を修復するなどもできますし、必要な箇所だけであればそこまで費用もかかりません。
主な修理方法には次のようなものがあります。費用は業者や施工範囲によってさまざまですが、大まかな目安をご紹介します。
施工内容 | 費用の目安 |
---|---|
瓦の交換・ズレの補修など | 3,000~10,000円 /1枚 |
漆喰補修 | 3,000~6,000円 /1㎡ |
棟瓦の積み直し | 40万円~80万円 |
雨樋の補修(傾き・破損・曲がり・欠落) | 10,000~30,000円 /箇所 |
雨樋の全交換 | 150,000~300,000円 |
コーキング補修 | 500~1,200円/1m |
※足場が必要な場合は上記にプラス10~20万程度かかります。
※管理費や諸経費として工事費用の5~10%が加算されることがあります。
●台風被害には火災保険が適用される?
台風による被害(風災)は多くの場合火災保険の補償対象ですので自己負担ゼロ、または少額で済むことも少なくありません。
火災保険を使っても翌年以降保険料が高くなることはありませんし(自動車保険とは異なります)、うまく活用することでお得に修理ができるのです。
詳しい火災保険の適応条件や申請方法などについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
- あわせて読みたい
- 【屋根修理の専門家が解説!】失敗「ゼロ」の火災保険での屋根修理
3-2 この際全面葺き替えも?瓦屋根も進化しています
古い瓦屋根で今後のリスクを減らしたい場合、思い切って屋根全体をリフォームするという選択肢もあります。
同じ瓦屋根でも工法を変えれば強度を大幅にアップさせることも可能です。
また、屋根の下地部分にある防水シートなどを新しくすることで老朽化などによる雨漏りなどのリスクを軽減することもできます。
残念ながら火災保険はもとの機能を取り戻す目的でしか使えないので、全体葺き替えのような大掛かりなリフォームに利用することはできませんが、不安を減らして長く住み続けたいのであれば葺き替えもおすすめです。
全面リフォームには以下のようなものがあります。
工事 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
葺き替え工事 | 既存の屋根材、防水シートなどを一度すべて剥がし、新しいものを設置する工事 | 100~250万円 |
葺き直し | 既存の屋根材を一度外し防水シートや下地を修理してから、元の屋根材をもう一度設置する工事 | 90~150万円 |
葺き替え工事は瓦をすべて新しくするため、どのような種類の瓦を選ぶかによって費用は大きく異なります。
大きな工事になりますので、複数業者に見積もりをとり価格や対応を比較した上で選択しましょう!
4事前メンテナンスや修理には安心・安全な業者を選びましょう
台風被害には火災保険が使えるとはいえ、屋根の修理はときに高額。悪徳な業者に依頼してしまうと高額な費用を請求されたり、粗悪な工事で雨漏りが発生してしまったりすることもあり得ます。
では、より良い業者を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。
おすすめは相見積もり(複数業者に見積もりを依頼して、比較すること)をとることです。
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