屋根散水ってどうやってやるの？

日本古来の暑熱対策として知られている「打ち水」。
これは水が蒸発する際に周りから大量の熱を奪う現象（気化潜熱）を利用した対処方法です。
その理屈を屋根の温度を下げるために利用した対策が「屋根散水」。

屋根の温度を下げることができれば、それによって室内の温度を下げる効果が期待できます。
結果としてエアコンへの依存度を減らして、省エネを実現できる可能性も。

省エネ化が必要な今こそ、屋根散水に付いて考えませんか？

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屋根散水の必要性と効果？

「屋根散水」とは、直射日光を浴びて高温状態となった屋根の影響を受けて、室内が高温になることを防ぐために屋根に散水する暑熱対策。

特に夏になると室内にいても熱中症になる人や、脱水症状を起こす人が続出します。
その対策の１つとして有効なのが屋根散水、その効果をどの程度期待できるのか？

「愛知豊明花き市場（観葉植物専門の市場）」による実験では、屋根散水によって室内温度が2〜4度下がることが確認されました。
この程度の温度差であってもエアコンの温度設定を高くする分だけ、省エネにつながります。

このような仕組みは、温度が上昇すると発電効率が低下する太陽光発電にも採用されています。
散水する水を雨水などを貯めたものにすれば、さらに省エネ効果が上がることはいうまでもありません。

屋根散水の方法はいろいろ

実際に屋根散水を行う方法に付いて考えてみましょう。

まずは毎回自分でホースなどを使って水を撒く方法があります。
この方法ではひんぱんに水を撒くことは困難であり、あまり効果は期待できません。

せめて、散水用にポンプを設置したいところです。
自分で小さな穴を開けた塩ビ管（水道用）を屋根に設置して、ポンプと接続する方法もあります。

工場などの大規模な屋根散水システムであれば、コンピューター制御によって少ない水量で高い効果を実現できるようです。
一般家庭では雨水や井戸水を利用したお手製の散水器で、かなりの省エネを実現できるでしょう。

雨水を再利用できるタンクがあれば、散水した水を再度利用できるわけですから、さらに省エネ化がすすみます。
ここまで来れば、まさに「雨水クーラー」と呼ぶべきかも。

屋根散水の注意点

屋根裏に断熱材が入っている場合、屋根散水による冷却の効果があまり期待できないかも知れません。
屋根散水は、断熱材がなく直接屋根の温度が室内へ影響するような建物の方が、より大きな効果を期待できます。

ただし実験では、屋根裏に断熱材（厚さ25mmのフォームポリスチレン）が入っているRC造の建物でも、室内温度を4〜5度程度下げる効果があることは確認済みです（7月〜9月間に11％の省エネ効果あり）。

断熱材の有無以外にもチェックすべきポイントがあります。

それはどのような方法によって散水を行っているかという点です。
例えば穴を空けた塩ビ管を散水に使用していると、屋根の一部にしか水が流れません。
それを専用のスプリンクラーにするだけで、散水の効果は倍増します。