塗装いらず？海外で人気の屋根材・アスファルトシングルの特徴とメンテナンス方法

１アスファルトシングルとは

1-1 アスファルトシングルの特徴

アスファルトシングルはガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面に天然石でコーティングした屋根材です。

名前の似ているアスファルトルーフィング（＝屋根材の下に敷く防水シート）とは別のもので、アメリカ、カナダを中心に広く普及しています。

北米では100年ほどの歴史がありますが、日本では耐火性の問題から承認が遅れ、現在でもあまり使われていません。

アスファルトシングルの特徴は以下の通りです。

ただし、薄い素材なので遮熱性は低めです。

また、屋根の勾配は３寸５分以上（19度以上）必要です。

ゆるい傾斜の屋根だと水がたまりやすいので施工できません。

上記のとおり機能的に優れた屋根材なのですが、日本ではあまり普及していないためまだまだ実績のある業者が少ないのが現状です。

専用接着剤の扱いに慣れていないとはがれやすくなってしまう、油性塗料とは相性が悪い、縁切り（塗装した後に雨水の通り道を作る作業）をしないと水が溜まって雨漏りの原因になる等、扱いに難しさもありますので、工事の際は施工実績の豊富な業者に依頼しましょう。

1-2 具体的な製品

●田島ルーフィング株式会社

https://tajima.jp/koubai_yane/

・シングル

深みのある色彩と、光の当たり方で変わる表情が魅力の製品です。

光触媒機能を備えたシリーズもあり、汚れを防ぐことができます。

表面のコーティングは焼成形色砂を利用しています。（天然石ではありません。）

・ロフティ

大粒の天然石でコーティングした重厚感のある屋根材。

シングルより高耐久で耐年数が長いです。

●ニチハ株式会社

・アルマ

ロフティと同じく天然石で仕上げをした製品です。

スレート屋根のカバー工法によく使われます。

https://www.nichiha.co.jp/loof/armor.html

●オーウェンスコーニングジャパン合同会社

・オークリッジスーパー

海外製品として初めて日本の防火試験に合格した輸入屋根材。

非常に高い耐久性と耐風性を誇り、長期製品保証（制限あり）がついています。

http://www.owenscorning.jp/wp/?roofing=oakridge-super

●旭ファイバーグラス

・ファイバーグラスシングル　リッジウェイ

柔らかな色合いと立体感が魅力の屋根材です。

10年のメーカー保証付き

https://bit.ly/3r3Tnim

●株式会社カネマツ

・パルテ

アンティーク調の色合いが特徴的な製品。

風速49mまで耐えられる耐風性も魅力です。

http://www.kanema2.com/?page_id=39

２メンテナンスについて

2-1メンテナンスが必要なタイミング

最近は耐久性の高い丈夫な製品が増えてきましたが、長持ちさせるには定期的なお手入れが重要です。

アスファルトシングルに起こりがちなトラブルは以下の３つ。

状態に合わせてメンテナンスをしていきましょう。

・色褪せや表面の砂の剥がれ（見た目の劣化）

・コケ、かび

・めくれ、はがれ

アスファルトシングルの屋根は10年に一度くらいのペースで定期点検を受けるのがおすすめです。

また、どうしても強風により剥がれてくることがあるので台風後は変化がないかチェックした方がいいでしょう。

トタンやガルバリウム、スレートの屋根と違い、アスファルトシングル屋根は定期的な塗装を必要としません。

2-2でも解説しますがアスファルトシングルの塗装工事はあくまでも美観向上のためのもの。

苔やカビ、退色が気になったタイミングで塗装を行えば十分です。

2-2 アスファルトシングルの塗装

屋根はたくさんの紫外線を浴びますので、どうしても時間が経過すると色褪せが発生します。

定期的な塗装を行えば美観を向上させることができます。

アスファルトシングルの塗装は以下のような流れで行います。

油性塗料を使うと原料のアスファルトが溶け出してしまい品質を損ないますので、必ず水性塗料を使うようにしましょう。

また、素材の特性上、塗料の吸い込みが激しいためツヤあり塗料はまだらなしあがりになってしまう可能性があります。

ツヤなしの塗料がおすすめです。

アスファルトシングルの塗装工事では、素材の吸収分を考えると通常より多くの塗料が必要になります。

異常に工事費が安い業者は塗料を薄めたり、上塗りの回数を減らす可能性がありますので注意しましょう。

また、塗装後に雨水の通り水を作るため「縁切り」という作業が必須ですが、この作業を省くケースが報告されています。

雨の流れるスペースがないと雨漏りの原因になりますので、必ず見積もりをとった際に「縁切り」または「タスペーサー」という項目があるかチェックしましょう。

2-3 カバー工法と葺き替え

●カバー工法

カバー工法とは、既存の屋根を取り壊すことなく、上から新しい屋根で覆う工事方法です。

既存の屋根の撤去がない分、葺き替えより工期と工事費をおさえることができます。

カバー工法の費用や詳細については以下の記事で紹介していますので、合わせてお読みください。

『屋根のカバー工法の費用相場と基礎知識・実際の工事の流れ』

カバー工法は基本的にもとの屋根材より軽いものを重ねます。

アスファルトシングルに重ねるのは同じアスファルトシングルか、ガルバリウムなどの金属屋根材が基本になるでしょう。

※実は金属屋根はアスファルトシングルよりも軽いです。耐震性に気を使うなら金属屋根もおすすめです。

金属屋根については以下の記事で紹介しています。

『【2021年版】8種類の金属屋根を徹底比較！コストパフォーマンスが高いのはどれ？』

●葺き替え

その名の通り、既存の屋根を撤去して新しい屋根に葺き替える工事です。

雨漏りなど屋根の下地までダメージがあり、全撤去が必要な場合に行います。

大規模な工事ですので工期は長く、費用もかかりますが、今抱えている問題点をまとめてクリアすることが可能です。

これからも長く住む予定のあるお家で、雨漏りが起きている場合は葺き替え工事が必要になるでしょう。

葺き替え工事については以下の記事で紹介しています。

『【保存版】屋根の葺き替え工事の知識を総まとめ！ 費用、時期、メリット・デメリット、補助金、ＤＩＹなどを解説』

３優良業者を見分ける方法

１章で触れた通り、アスファルトシングルはまだまだ普及していません。

施工実績がある業者も少ない状態ですので、取り扱った経験がある優良業者を探すことが非常に重要です。

残念ながら屋根工事業者の中には相場より大幅に高い費用で工事を行ったり、異常な低予算を提示して手抜き工事を行う者がいます。

工事を依頼する際は必ず以下のポイントに注意しましょう。

・訪問販売は避ける

「近くで工事をしていた」「このままでは雨漏りする」などと言って突然屋根工事を持ちかけてくる業者が報告されています。

実際にはトラブルがないにもかかわらず不要な高額工事が必要だと言うこともあり、注意が必要です。

「火災保険で工事費が無料になる」など「無料」を強調することも多いですが、実際には火災保険がきかなかったり、追加料金を請求されてトラブルになる可能性が高いので、絶対に契約しないようにしましょう。

・見積もりの内容が詳細かチェックする

見積もりをとった際に工事の内容が「一式」のみになっている場合は注意が必要です。

塗料等の材料費と手数料、雑費等の内訳が可視化されていないと手抜き工事の原因になります。

詳細を明らかにしてくれるようお願いするようにしましょう。（優良業者は最初から詳細を開示していることが多いです。）

・相見積もりをとる

相見積もりとは複数の業者から見積もりをとって内容を比較すること。

屋根のリフォームは頻繁に行うものではないので、業者の選び方がわからないという方も多いかと思います。

見積もりサイト等を活用して３社（最低でも２社）を比較することで適正価格がわかりますし、サービスの質も比較できますので非常におすすめです。

屋根コネクトでも地元密着型の優良業者をご紹介しますので、お気軽にお問い合わせください！