【事例で解説!】スレート屋根修理の費用は?葺き替えなどの工事方法も合わせて解説
安価で扱いやすいことから人気のスレート屋根。
最もよく見かける屋根材ではありますが、一方でメンテナンスが大変、壊れやすいという意見も多いです。
スレート屋根にはどんな特徴があり、どうしたら長持ちさせることができるのでしょうか。
本記事ではスレート葺きの屋根の特性や寿命、修理のタイミングと予算についてご紹介します。
1まずは確認。スレート屋根って何?
スレート屋根とは薄い板状の屋根材を並べた屋根のこと。
粘板岩を加工した天然スレートと、セメントと繊維質から人工的に作る化粧スレートがあり、日本では価格が安く扱いやすい化粧スレートが主流です。
化粧スレートは「コロニアル」「カラーベスト」などの製品名で呼ばれることも多くあります。
項目 | 単価 | 耐用年数 | メンテナンス時期 |
---|---|---|---|
化粧スレート | 4,000~7,000円/1㎡ | 15~30年 | 7~10年 |
天然スレート | 8,000~16,000円/1㎡ | 30~40年 | 15~20年 |
<スレート屋根の種類>
●化粧スレート:セメントとパルプなどの繊維質を混ぜて作られる。人工スレートの他、カラーベスト、コロニアルといった製品名で呼ばれることも多い。表面塗装のメンテナンスが必要。
●天然スレート:天然鉱石(粘板岩)で出来ているため、天然スレートと呼ばれる。加工がしやすいが割れやすく、対応可能な業者も少ないため、国内の一般住宅ではあまり使用されていない。
2スレート屋根(化粧スレート)のメリット・デメリット
広く普及しているスレート屋根ですが、扱いやすさの反面デメリットも!
弱点を理解して、長く使えるようにメンテナンスをしていくのが大切です。本章ではスレート屋根のメリット・デメリットをご紹介します。
2-1 スレート屋根4つのメリット
①比較的安価
屋根材の中では特に安価で、新築時のコストを大きく抑えることができます。
②軽い
一般的な瓦屋根に比べると重量が軽く屋根全体の重さを軽減できることから耐震性に優れています。
③カラーバリエーション・デザインが豊富
選択できる色の種類が非常に多く、見た目もシンプルなため家のデザインを問わず施工することができます。
飾りスレートといって見た目が単調にならないよう加工されたものもあります。
④施工できる業者が多い
加工が容易で施工できる業者が多いことから、新築時もリフォーム時も安心して任せることができます。
2-2 スレート屋根3つのデメリット
①割れやすい
薄い素材であり、非常に割れやすいです。
踏み割れはもちろん、施工時・出荷時の衝撃でごく細かいヒビ(ヘアークラック)が入り、経年劣化とともに広がってくることもあります。
②水に弱い
スレートの主成分であるセメントは水を吸収しやすいため、塗料による保護が必須です。
染み込んだ水が凍ることで割れにつながる(凍害)こともあり、定期的に塗装が必要になります。
③定期的なメンテナンスが必要
素材の特性上、割れや塗料の劣化に対するメンテナンスが欠かせません。
初期費用は抑えられますが、維持費が高い傾向にあります。
3スレート屋根の寿命はいつ?修理が必要になるタイミングとは
瓦やガルバリウム鋼板などの屋根材に比べて耐久性が低いスレート材……適切に修理をすれば長く使えるとはいえ限界もあります。
スレート屋根の寿命はどのくらいなのでしょうか。
一般的に、葺き替えなどの大きな修理が必要になるのは20~30年後と言われています。
ただしスレートの素材(2005年まで製造されていたアスベスト入りのものの方が耐久性は高いと考えられています)によるところも大きく、実際には劣化状況を見ながら判断していくことになるでしょう。 雨漏りなどの被害が出ているようであれば、年数によらず葺き替えなど大掛かりな修理が必要になってきます。
また、実はスレート材より板金や塗料の寿命の方が短いため、細部のメンテナンスも欠かせません。
例えば、板金は10年ほど経つと釘の浮きや傷みが出てくるので雨漏りが発生する前に定期的なチェックが必要です。
小さなひび割れなども起こりやすいため、傷んでいたら補修が必要になります。
塗料については材質によって寿命が変わってくるのですが、表に整理すると以下のようになります。
塗料 | 単価 | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 1,000~1,500円/1㎡ | 5~8年 |
ウレタン樹脂塗料 | 1,600~2,100円/1㎡ | 7~10年 |
シリコン樹脂塗料 | 2,000~3,000円/1㎡ | 10~13年 |
フッ素樹脂塗料 | 3,500~4,500円/1㎡ | 15~20年 |
まとめると、スレート屋根の寿命は種類によりますが20~30年程度で、
●建築から10年程度 ・・・板金のチェックと修理
●建築から概ね7~15年程度 ・・・塗装工事
●建築から20~30年程度 ・・・葺き替えなどの大きな工事
●その他状況に応じて ・・・小さなひび割れなどの補修など
このように、それぞれの工事が必要です。
4異変に気づく!スレート屋根修理のチェックポイント4点
そろそろ修理が必要かもしれないけれど、タイミングがわからないという方もいらっしゃると思います。
屋根の修理は高額になりやすいため、なかなか決心がつきませんよね。
そんなときは以下の4点チェックがおすすめです!
☑ 板金部分の劣化
☑ 塗装の劣化
☑ スレートのヒビ割れ・欠け
☑ スレートの反り・脱落
屋根の下から見える範囲で構いませんので、目視で屋根の状態を見てみましょう。
スレート屋根は不具合が雨漏りにつながりやすいため、もし異常が発見できた場合は速やかに専門家に相談しましょう!
4-1 板金部分の劣化
※屋根の頂点を保護している部分が「棟板金」。
屋根の頂上を抑える棟板金や、谷板金(複雑な形状の屋根の場合に谷になっている部分を保護している板金)に異常はありませんか?
板金は雨漏りを起こしやすい部分を雨水から守ってくれる重要なパーツ。
強風で浮いていたり、錆で穴が空いていたら速やかに修理が必要です。
特に棟板金は台風などの強風に煽られてめくれ上がることが多いです。(風災として火災保険で修理することができます。)
ダメージが軽い場合は簡単な修理で済むことも多いので、しっかり確認しておきましょう。
4-2 塗装の劣化
次に確認したいのが全体の塗装。
スレートの塗装が色あせたり、ムラになったりしていませんか?
塗装の変色は劣化のサイン!
実は、スレート自体に防水機能はありません。
表面の塗装で水を弾いているので、塗装が劣化したり剥がれたりすると水を通してしまうのです。
ただちに雨漏りにつながらなくても、水はけが悪くなるとかびや苔が発生します。
北側の屋根など日当たりの悪い部分は特に水分が残りやすく、ビッシリと苔が生える場合も……美観にも影響が出てきます。
放置すれば重大なトラブルにもつながりますので、10年に1度を目安に塗り直しをしましょう。(明らかに塗装が劣化している場合は10年経っていなくても補修するのがおすすめです!)
4-3 スレートのヒビ割れ・欠け
スレートをよく見るとヒビや割れがありませんか?
実はスレートはとても薄く繊細な屋根材。輸送時の衝撃や、点検時に屋根に登った時の圧力でヒビが入ってしまうことがあります。
目に見えないほどの小さなヒビ(ヘアークラック)も、水が侵入して凍結→乾燥を繰り返すとだんだん割れ目が広がってきてしまいます。
隙間ができればさらに水が入るようになり、下地を痛めて雨漏りの原因にもなりますので定期的にチェックするようにしましょう。
目安として0.3mm以上の割れは修理が必要と言われています。
多少割れてもしばらくは防水シートで守ることができますが、万一雨漏りしてしまうと吹き替えなど大規模な修理をしなければならなくなりますので、早めの対処が重要です!
ひび割れは一箇所でないことが多いので、一度業者に診断を依頼してみましょう。
4-4 スレートの反り・脱落
経年劣化が進むとスレートが反り、隙間ができてしまうことも……。
しばらく屋根の様子を見ていないなら、スレートが変形していないか確認してみましょう。
スレートの角が不自然に歪んだり浮きが出たりしていませんか?
スレートの反り返りはかなり劣化が進んでいるサインであり、塗装など簡単な補修ではカバーできません。
範囲が広ければ葺き替えなど大規模な修理が必要になってきますので、速やかに専門家に相談して状態をチェックしてもらいましょう。
5スレート屋根に対応できる修理の種類と相場
では、いざ修理をすることになった場合どんな工事をするのでしょうか。
スレート屋根に適用可能な6つの修理と費用相場は以下のとおりです。
部分補修 ・・・3万~30万円程度
スレートは繊細な屋根材ですが、こまめなメンテナンスをしていけば寿命を伸ばすことができます。適切な部分補修で雨漏りなどのトラブルを防ぎましょう。
主な部分補修には以下のようなものがあります。
●コーキング
軽微なスレートの割れはコーキング(目地材の充填)で補修します。
もしコーキングガンをお持ちでもDIYで修理しようとするとスレート踏み割ったり、雨水の逃げ道まで塞いでしまったりするケースがあるので必ず業者に依頼しましょう。
費用の目安としては3~5万円程度からで、施工の量によって異なります。
●部分的な張り直し
スレート屋根は少しずつ重ねて釘で固定しているので、瓦のように葺き替えることができません。
割れたり欠けたりしている場合は一部を切り取って上から新しいものを貼り付けて補修を行います。
費用は、張り直しの枚数によって様々ですが、足場代を含めて15万~50万円程度が目安です。
●板金修理
釘のゆるみや全体的な浮き上がりであれば釘の打ち直し、腐食によるダメージであれば全体の交換を行います。
費用は補修であれば数万円程度から、全体の交換であれば15~30万円ほどかかります。
台風など強風による板金部分の被害は火災保険の対象になります。
塗装 ・・・30~80万円程度
屋根の部分または全体を再塗装して、スレートを保護します。美観の向上にもつながる工事です。
塗装の費用は使用する塗料のグレードや面積によって様々ですが、現在人気のシリコン塗料やウレタン塗料であれば、50~80万円程度が目安です。
全体修理 ・・・80~200万円程度
●カバー工法
既存屋根材の上から、新しい屋根材を重ねる工事です。
撤去費用がかからず、騒音や振動も抑えられることがメリットですが、倉庫などによく使用される「波型スレート」の場合は施行できません。
また、雨漏りが発生していて下地まで傷んでいる場合も不適です。
費用は新しい屋根材や面積にもよりますが、概ね80~130万円程度が目安です。
●葺き替え
既存屋根材を全て撤去し、新しい屋根材を設置する工事です。
費用が高額になりますが、雨漏りがひどい場合は根本的な問題の解決につながります。
また、今後のメンテナンス費用を考えると屋根材を交換してしまったほうが安くなることもあります。
費用は新しい屋根材などによりますが、葺き替えで人気のガルバリウム鋼板であれば100~150万円程度、瓦、ステンレスといった高価な屋根材を選ぶ場合は200万円以上になることもあります。
※2005年以前に建造された建物にはアスベストを含むスレート(石綿スレート)が使われていることがあります。撤去の際に粉塵が舞うと健康被害につながるため、必ずアスベスト撤去に対応した業者に依頼しなければなりません。
※スレート屋根のアスベストについては以下の記事もご参照ください。
それぞれの工事の費用を表にまとめると以下のようになります。
工事内容 | 費用の目安 |
---|---|
コーキング補修 | 3~5万円程度から |
スレートの部分交換 | 15~50万円程度(枚数による) |
板金の交換 | 15~30万円程度 |
塗装 | 30~80万円程度 |
カバー工法 | 80~130万円程度 |
葺き替え工事 | 100~200万円程度 |
※全体修理の費用は面積や使用する塗料や屋根材で大きく異なるため、ここでは平均的な価格を記載しています。
6実際の事例で確認。スレート屋根葺き替え工事の費用内訳
修理の費用相場については簡単にご紹介しましたが、やはり実例を見るのが一番わかりやすいですよね。
本章では実際の葺き替え工事の事例を見積もり明細とともにご紹介します。
【事例】風災で雨漏りが発生し、屋根葺き替え工事を検討
●工事内容:台風の影響で雨漏りが発生し、スレート屋根を全て取り換えることに
台風でスレート屋根の一部が破損し、雨漏りが発生したため全体の葺き替え工事を行ったケースです。 あまり外観を変えたくなかったため、屋根材は今までと似たスレートを選択しました。
見積もり明細は以下のようになりました。
工事内容 | 数量 | 単価 | 価格 |
---|---|---|---|
屋根修理 | |||
既存屋根材の撤去 | 85㎡ | 2,000円 | 170,000円 |
既存屋根材の処理 | 一式 | 25,000円 | 25,000円 |
下地の補修 | 85㎡ | 2,000円 | 170,000円 |
防水シート | 85㎡ | 650円 | 55,250円 |
新しい屋根材(スレート材) | 85㎡ | 5,500円 | 467,500円 |
足場 | 220㎡ | 800円 | 176,000円 |
その他 | |||
諸経費 | – | 工事費用の5% | 53,188円 |
合計:1,116,938円 ※他、消費税などかかります。
見積もりをとった際にチェックしたいのが、細かい工事内容がきちんと記載されているかどうか。
上の表では「既存屋根材の撤去」「下地の補修」「足場」など項目が細かく示されていますが、「屋根工事一式」とまとめて記載する業者も存在します。
「一式」だけでは必要な工事が含まれているかわからず、トラブルの原因になるので注意しましょう。
また、屋根工事を行う際はできるだけ相見積もりを取るようにしておくと安心です。
相見積もりとは複数の業者に見積もり依頼をし、工事の費用や内容、対応を比較検討すること。
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屋根コネクトお役立ち記事一覧⇒こちら
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