屋根材の種類を解説!特徴や耐用年数・修理費用などを比較
屋根材には、一般的に普及しているものからマイナーなものまで含めると非常に多くの種類があります。
瓦屋根、スレート屋根(コロニアル屋根)、ガルバリウム鋼板屋根、アスファルトシングルなどはどれもお馴染みの屋根材でしょう。
種類によって耐久性が高いもの、デザイン性が高いもの、機能性が高いもの、費用が安いものなど、様々な特徴があります。
もちろん、すべて兼ね備えた屋根があればベストですが、どの部分を優先するか選ばなければならない場面もあるでしょう。
この記事では主な屋根材についての特徴と、どのような場合に向いているのかを解説していきます。
1屋根材にはどんなものがある?
1-1 【全17種】様々な屋根材
屋根材と言えば、「瓦」や「金属」などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
これらは特に多く普及している屋根材の一つですが、その他にもあまり一般的に普及していないものまで含めると屋根材には非常にたくさんの種類があります。
厳密にはジャンルの分け方や呼び方は様々なのですが、大まかに分けると以下のような種類があります。
屋根材の大きな分類 | 種類 ※()内は他の呼び名など |
---|---|
スレート屋根 | 化粧スレート(コロニアル、カラーベスト) 天然スレート |
瓦屋根 | 陶器瓦(釉薬瓦) いぶし瓦 素焼き瓦 セメント瓦(厚型スレート) 乾式コンクリート瓦(モニエル瓦) 軽量瓦、防災瓦 |
金属屋根 | トタン ガルバリウム鋼板 エスジーエル(SGL)鋼板 ジンカリウム鋼板(石粒付き鋼板) チタン ステンレス 銅 アルミ |
アスファルトシングル | アスファルトシングル |
「スレート」、「陶器瓦」、「ガルバリウム鋼板」などは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
これら3つ以外にも、一般家庭にはほとんど普及していないような珍しいものまで含めるとこれだけたくさんの種類があるのです。
1-2 中でも一般的な屋根材は?
現在最も多く普及しているのは、化粧スレート、ガルバリウム鋼板、陶器瓦の3つで、日本での3大屋根材と言えばこれらを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
また、これら3種類の屋根材ほど多くはありませんが、セメント瓦、軽量瓦、アスファルトシングル、トタン、モニエル瓦、ジンカリウム鋼板などの屋根材も使用されています。
2最も普及率の高い3つの屋根材を徹底解説!
まずは化粧スレート、陶器瓦、ガルバリウム鋼板の3つの屋根材について特徴を見ていきましょう。
2-1 化粧スレート(コロニアル、カラーベスト)
化粧スレートとは、厚さ5ミリ程度のセメントを使用して作られた屋根材です。
コロニアル、カラーベストなどと呼ばれることもありますが、これらはスレート屋根の商品名の一つが一般名称として定着したもので、すべて同じスレート屋根のことだと思って良いでしょう。
新築の家で採用されることが多い屋根材で、カラーバリエーションが豊富で様々な家のイメージに合わせやすいことや、費用が安く済むなどの特徴があります。
また、セメント瓦(厚型スレート)に対して、薄型スレートと呼ばれることもあります。
<スレート屋根の特徴>
・カラーが豊富にある
・シンプルな見た目
・施工時の費用が他の屋根材よりも安い
・重さは1㎡あたり約17~20㎏程度で、瓦よりは軽いが金属屋根よりは重い
・瓦屋根に比べると遮音性などがやや劣る
・耐用年数は15~30年程度(生産された年代などによっても異なる)
・塗装によるメンテナンスが必要
・劣化するとひび割れや剥がれなどの不調が起きやすい
・施工できる業者が多い
・アスファルトが含まれているものがある
2-2 陶器瓦
瓦屋根には様々な種類がありますが、中でも陶器瓦は現在多く普及しています。
粘土で形を作ってから「釉薬」と呼ばれるガラス質の塗料を塗り、高温で焼き上げた屋根材で、釉薬によって様々な色を出すことができます。
昔ながらの日本家屋などで多く採用され、頑丈で他の屋根材よりも耐用年数が長いのが特徴です。
形もJ型(和形)、F型(平板形)、S型(スパニッシュ形)と3種類あり、それぞれ和風な印象なものから、モダンで洋風な印象が強いものなど、バリエーションが豊富です。
同じ瓦屋根で、素焼き瓦、いぶし瓦などの種類もあり、陶器瓦とはやや費用や耐用年数がそれぞれ異なりますが、こちらもしばしば採用されることのある屋根材です。
<陶器瓦の特徴>
・デザイン、カラー共にバリエーションが豊富
・昔ながらの趣、重厚感がある
・施工時の費用が他の屋根材よりも高い
・重さは1㎡あたり約50~60㎏程度で、屋根材の中では最も重い
・耐用年数は40年~60年程で、中には70年、80年もつものもある
・厚みがあり、断熱性、遮音性ともに優秀
・1枚1枚の瓦は意外と簡単に強風によるズレなどが起きることがある
・他所からの飛来物、経年劣化でひび割れなどが起きることがある
・瓦の施工ができる業者への依頼が必要
2-3 ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とはアルミニウム、亜鉛、シリコンを用いて加工された合金メッキ鋼板で、金属屋根の一つです。
以前には金属屋根といえばトタン屋根が多く使用されていましたが、より耐久性が高く錆びなどにも強い素材としてトタン屋根に代わって普及し、近年では非常に多く使用されています。
<ガルバリウム鋼板の特徴>
・シンプルな見た目
・瓦などに比べると高級感が劣るとの見方も
・施工時の費用はスレートよりは少し高く、瓦よりは安い
・重さは1㎡あたり5㎏~10kg程度で、屋根材の中では最も軽い
・耐用年数は20~30年程度
・塗装によるメンテナンスが必要
・劣化すると、サビや塗膜の剥がれなどが見られる
・瓦やスレートより、断熱性、遮音性が劣る(最近では断熱材入りのものもある)
・金属なので結露が起きやすい
・施工は比較的しやすい
また、ガルバリウム鋼板の施工を行う場合には、屋根材を横に葺くか、縦に葺くかという2パターンがあります。
詳しくはこちらの記事を併せてご覧ください。
- あわせて読みたい
- ガルバリウム鋼板の縦葺き・横葺きについて詳しく知る
2その他の注目したい屋根材
3-1 エスジーエル(SGL)鋼板
エスジーエル(SGL)鋼板とは、近年新たに登場した屋根材で、ガルバリウム鋼板をベースにより高い耐久性を屋根材として開発されたものです。
金属屋根にはその他にもアルミ、ステンレスなど耐久性が非常に高いものもありますが、これらは高価なため一般家庭ではなかなか使用されることはありません。
その点、エスジーエル鋼板は価格もガルバリウム鋼板とそれほど変わらず使用できるため、ガルバリウム鋼板に代わる次世代の屋根材として注目を集めています。
3-2 アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、ガラス繊維の基材にアスファルトを染み込ませて加工した屋根材で、日本ではそれほど多く普及していませんが、外国では多く使用されている屋根材です。
費用が比較的安く、重量も軽いため耐震性に優れているという特徴もあります。
モダンな印象のため、費用の問題で瓦屋根が採用できないという場合などには検討してみてもいいかもしれません。
3-3 軽量瓦
軽量瓦とは、従来の陶器瓦よりも重量を軽くしてつくられた瓦のことをいいます。
明確な重さの基準はありませんが、一般的な陶器瓦が50~60kg程度であるのに対し、軽量瓦は20~40kg程度の重さで、耐震性などが気になる場合にはおすすめの屋根材です。
ケイミューという会社が独自に開発した「ROOGA(ルーガ)」などが有名です。
3-4 ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板に似た金属屋根の一つです。構成されている成分などはガルバリム鋼板とほとんど変わらないため、混同されることもしばしばあります。
しかし、大きな特徴としては表面に石粒のコーティングがされているという点で、石粒のないものに比べて耐久性が優れているという特徴があります。
ガルバリウム鋼板は塗装によるメンテナンスが必要ですが、ジンカリウム鋼板の場合にはこの石粒によるコーティングがされているので、一般的には塗装をする必要がないと言われています。
しかし、日本国内では知名度が低く、出回っているものは輸入品がほとんどであるため、施工できる業者が少ないことや費用がやや高額になることがあります。
3-5 その他の屋根材まとめ
その他のセメント瓦、トタン、モニエル瓦など、その他の記事については以下で詳しく解説しています。
- 他の屋根材についての記事
- セメント瓦
- モニエル瓦
- 素焼き瓦、いぶし瓦
- トタン
- ステンレス、チタン、銅
- アスファルトシングル
4主な屋根材を比較してみよう
4-1 耐用年数・費用の比較
まず、耐用年数と単価について比較してみましょう。
屋根材 | 耐用年数 | 施工費用 |
---|---|---|
化粧スレート | 15~30年 | 4,000~7,000円/1㎡ |
陶器瓦 | 40~60年 | 5,500~15,000円/1㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | 5,000~7,500円/1㎡ |
エスジーエル鋼板 | 30年以上? | 約6,500円/1㎡ |
アスファルトシングル | 15~20年 | 5,000〜9,000円/1㎡ |
軽量瓦 | 30~50年 | 7,000~12,000円/㎡ |
ジンカリウム鋼板 | 30~50年 | 8,500~15,000円/1㎡ |
セメント瓦 | 20~40年 | 5,000~10,000円/1㎡ |
トタン | 10~20年 | 4,500~7,000円/1㎡ |
ステンレス | 30~50年 | 10,000~14,000円/1㎡ |
※耐用年数はあくまで目安で、実際の劣化ペースは環境などによって異なります。
※スレートは基本的にアスベストが含まれているものの方が、耐久性が高いと言われています。
※エスジーエル鋼板の耐用年数は、新しく登場した屋根材であるため正確にはまだわかりませんが、ガルバリウム鋼板よりも長いことが期待されています。
耐用年数が長いものや、メンテナンス頻度が低い屋根材は、その分施工時の費用が高くなる傾向にあります。逆に安い屋根材はその分長期的に見た際にランニングコストが高くなる可能性もあるため注意が必要です。
塗装の必要性の有無、劣化しやすさや補修の頻度などについても考えた上で屋根材を選ぶのが大切です。
4-2 特徴の比較
続いて、葺き替え工事やカバー工法を行う際にポイントとなる、主な機能性についての比較です。
化粧スレート | 陶器瓦 | ガルバリウム鋼板 | エスジーエル鋼板 | アスファルトシングル | 軽量瓦 | |
---|---|---|---|---|---|---|
耐久性 | △ | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ |
耐震性 (1㎡あたりの重さ) |
〇 (17~20kg) |
△ (50~60kg) |
◎ (5~10kg) |
◎ (5~10kg) |
◎ (10~15kg) |
〇 (20~40kg) |
デザイン性 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
遮音性 | △ | ◎ | △※ | △※ | 〇 | ◎ |
耐熱性 | △ | ◎ | △※ | △※ | 〇 | ◎ |
耐火性 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | △ | ◎ |
コストパフォーマンス | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
業者の選びやすさ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ |
※金属屋根は遮熱性、断熱性が低いのがデメリットだと言われていますが、近年では断熱材入りの製品や、遮熱高価のある塗料を表面に塗るなど改善が試みられています。
4-3 こんな場合におすすめ
●とにかく初期費用を抑えたいとき
急に施工が必要になってしまった場合など、初期費用をとにかく抑えたいときには、スレートがおすすめです。
ただし、メンテナンスなど長い目で見ると費用がかかる面もあるので、ガルバリウム鋼板や、エスジーエル鋼板を検討するのも良いでしょう。
●屋根の見た目にこだわる場合
元々の屋根材が瓦の場合
瓦屋根の家の場合、安さや耐震性重視で屋根材を変えたときに想像以上に重厚感がなくなり家のイメージが変わってしまったということもあります。
昔ながらの日本家屋のイメージを壊したくない場合にはやはり同じ瓦にしておくのが無難です。色もバリエーションもとても豊富です。
元々の屋根材が瓦以外の場合
元々スレート屋根などが使用されている場合には、重い瓦に葺き替えることはほぼ難しいため、スレートかガルバリウム鋼板などということになります。
どちらもシンプルなデザインですので、機能性も兼ねたガルバリウム鋼板が選ばれることが多いようです。アスファルトシングルを選ぶことも一つの手ですが、耐用年数がそれほど長くないことや、施工できる業者が少ないことなどがあり、やや選ばれることは少ないようです。
●コストパフォーマンスなら
初期費用、ランニングコスト、耐久性、耐震性などの観点を総合的に見た場合、ガルバリウム鋼板が言われることが多いです。また、施工業者はまだ限られますが、エスジーエル鋼板など検討してみるのも一つの方法でしょう。
●耐久性を求めるなら
一般に普及している屋根材の中では瓦屋根がもっとも耐久性が高いと言われています。新築の家で選べる場合には瓦を選んでも良いですが、葺き替えで元の屋根材がスレートなどの場合には瓦を選ぶことができません。
ガルバリウム鋼板は比較的耐久性が高いですが、それでも30年程度ですので、より長期で使用したいときにはジンカリウム鋼板、エスジーエル鋼板、また費用を気にしないのであればアルミやステンレスを検討してみてもいいかもしれません。
●耐震性を求めるならら
耐震性を求めるなら金属屋根がおすすめです。最も採用しやすいのはやはりガルバリウム鋼板かエスジーエル鋼板でしょう。
チタン、ステンレス、銅などは金属屋根の一種ですが、高価でなかなか一般家庭で採用されることが少ないのが現状です。
また、瓦屋根からの葺き替えなどで、瓦のイメージを損ねずに屋根を軽くしたいという場合には軽量瓦などもおすすめです。
3-3 まとめ
どの屋根材が良いかは、使用する人のライフプランや、地域、施工業者などによっても様々です。
優先したいポイントなどをよく検討して、ベストな屋根材を選びましょう。費用に関しては、メンテナンスなども含めて考えていくことがポイントです。
また、使いたい屋根材が決まったとしても、業者によっては一部の屋根材しか取り扱っていないということもあります。先に屋根材の希望がある場合には、依頼の際にしっかりと確認するようにしましょう。業者にはそれぞれ得意な分野があるので、依頼する中で、より良い屋根材を探すのも一つの方法でしょう。
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