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瓦屋根の補修は意外と安い?安全になった最新・瓦事情もご紹介


新築では見かけることが少なくなってきた瓦屋根。

「地震に弱い」「費用が高い」などデメリットに注目されがちですが、適切にメンテナンスをしていけば長期にわたって使い続けられる優秀な屋根材です。

本記事では瓦屋根の補修について、費用面、DIY、火災保険、ガイドライン工法など多様な面から解説していきます。

瓦屋根の補修


瓦屋根のトラブルは修理費用が高いと感じている方も多いのではないでしょうか。

屋根材別の修理費用を調べると、瓦屋根が一番高いためメンテナンスに費用がかかるというイメージがあっても不思議ではありません。


また、カバー工法ができないので、全面修理では葺き直しか葺き替えしか選択肢がなく「高く見える」ということもあります。

例えば、ガルバリウム鋼板屋根に変更する場合、費用相場は以下のようになります。


カバー工法80~150万円程度

葺き替え100~200万円程度


カバー工法を選択するとだいたい20万円程度安くなりますので、葺き直し・葺き替えしかできない瓦屋根はどうしてもメンテナンス費がかさむように見えてしまうのです。


ただし、部分補修ならそこまで高額にはなりません。

瓦屋根は耐久性が高く耐用年数も非常に長いので、現実的には部分補修でメンテナンスをしながら使い続けることになるでしょう。

瓦屋根の部分補修


瓦屋根の部分補修でよくあるものとしては以下が挙げられます。


・割れた瓦の差し替え 1枚約30,000円〜

・割れた瓦の補修 コーキング一箇所2000円〜

・棟瓦の取り直し 1mあたり約15,000円〜

・漆喰の補修 20~50万円程度


台風によって瓦が飛ばされたり、飛んできたもので瓦が割れた場合はその部分だけ取り替えることが可能です。

また、屋根の頂上部分を守る棟瓦が破損した時、漆喰の劣化で土が流出して棟が歪んだ時は棟の取り直しと漆喰の詰め直しを行います。

棟の破損は雨漏りにつながりやすいので異変を感じたらできるだけ早めに修理を依頼しましょう。


※瓦屋根のDIY


コーキングガンや防水テープをつかってDIYで割れた瓦を補修する方法を紹介しているサイトもありますが、瓦屋根の上は滑りやすく大変危険です。


2019年の千葉県台風15号被害のように、周辺地域が一斉に被害を受けたために修理が先延ばしになってしまうようなケースを除けば、基本的に全ての屋根故障は業者に依頼した方が無難でしょう。

実際、台風15号の被害時は自身で屋根を修理しようとして墜落し、負傷・死亡したケースが報告されています。


また、瓦は丈夫に見えますが踏む方向を間違えると簡単に割れてしまいます。

故障部位が増えればそれだけ費用もかさみますし、破片が飛び散って二次災害を引き起こす可能性もありますので、できる限り屋根には登らないようにしましょう!

火災保険の活用について


多くの火災保険には台風による暴風や雹、豪雪等自然災害による被害をカバーする「風災」保障が含まれています。

免責金額(※)に達しない小さな補修工事(瓦1枚の差し替えなど)では使えない可能性もありますが、棟瓦の工事や広い範囲の瓦のずれを直す工事など金額の大きな工事では活用するのがおすすめです。

※火災保険の免責額

多くの火災保険には免責額が定められています。

免責額は3万円、10万円、20万円など保険の種類により様々です。

免責費用を超えた分だけ保険金が支払われるエクセス方式と、免責費用を超えたら全額が支払われるフランチャイズ方式があります。

まずはご加入の保険の補償内容をチェックしてみましょう。

※火災保険が使えないケース

免責額に達していない場合以外に、故障原因が原因で保険が下りないことがあります。

火災保険はあくまでも災害で故障した家を元の状態に戻すために使うもの。

経年劣化による故障や、元の状態より品質を良くする「リフォーム」には使えません。

「火災保険で必ず安くなる」「無料で工事できる」と説明する会社は不誠実です。

瓦屋根と災害の歴史


阪神淡路大震災の際に瓦屋根が崩れる映像が流れたため、「瓦屋根は地震に弱い」「修理が大変で費用がかかる」とお考えの方が多いです。


しかし、それも過去のこと。

たしかにかつては土を使った湿式工法の屋根が多く、重みと瓦の固定の弱さから倒壊被害が多かったのですが、阪神淡路大震災後は工事方法が見直され地震に強い瓦屋根住宅が増えました。


瓦は厚みと重みがあるため防音性や遮熱性に優れています。

強い直射日光を浴びても熱を伝えにくく、激しい雨音も気にならない瓦屋根はやはり伝統的な屋根材だけあって優秀です。

最近ではさらに改良された瓦も出てきていますので、もし新築で瓦屋根を選ぶなら検討してみるといいかもしれません。

ガイドライン工法への変更や、防災瓦への葺き替え


防災面を重視する方は思い切って機能を改善するリフォームを検討してはいかがでしょうか。

たとえば、瓦屋根の防災性を高める方法として「ガイドライン工法」があります。


「ガイドライン工法」とは(一社)全日本瓦工事業連盟が推奨する耐震性・耐風性に優れた工事方法です。

巨大地震や近年増えている巨大台風に備える上では非常に有効ですので、一部補修にもおすすめします。

例えば、強風の影響を受けやすい軒瓦はガイドライン工法に従って工事をすれば台風にも対応できます。


また、従来品よりも軽量で美しく、耐久性も高い瓦も出てきています。

例えばケイミューから販売されているルーガ(ROOGA)は高い意匠性を持ちながら重さは従来の陶器瓦が半分以下で、屋根の重さを軽減する上では大変有効です。

屋根が軽いほど建物への負担は減りますので、地震が心配だけれど瓦屋根にこだわりたい方は検討してみてもいいでしょう。

まとめ

ガルバリウム鋼板屋根など安価で機能的に優れた屋根材の登場もあり、瓦屋根の割合は年々減っています。

阪神大震災以降は災害に弱いというイメージがついてしまったことも影響しているでしょう。


しかし、最近は防災瓦やROOGAなど進化した瓦も出てきていますし、工事方法も改善して安全性が高まりました。

火災保険も活用しながら部分補修をしていけば長く使い続けることができますのでおすすめです。


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