葺き替え・葺き直しの違いと瓦屋根リフォーム・修理の注意点
屋根をリフォームしたい場合、「葺き替え」「葺き直し」「カバー工法」「塗装」などいくつかの方法があります。
葺き直し工事は、これら4つの工事の中では少しだけ聞きなれないという方もいるかもしれませんが、葺き替え工事とはまた異なる工事で、主に瓦屋根で行われることが多い工事です。
葺き替え工事は知っていても、葺き直し工事ってなに?と思われる方も多いと思いますので、今回は呼び方が似ているこれら2つの工事についてご説明します。
1「葺き替え」と「葺き直し」の違い
1-1 葺き替え(ふきかえ)工事って?
葺き替え工事とは、屋根材とその下にある防水シートを取り外して、新しい防水シートと新しい屋根材を設置する工事のことです。
屋根のリフォームで屋根全体を新しくしたい場合や、雨漏りしている場合などに行われる工事で、古い屋根材はすべて処分して新品の屋根材を取り付けることになります。
傷んだ防水シートや下地はもちろん、家の見た目もしっかり新しくする工事と言えるでしょう。
1-2 葺き直し(ふきなおし)工事って?
葺き直し工事とは、屋根材を一旦取り外して、下地の修理と防水シートの交換を行った後、再び同じ屋根材を設置する工事のことです。
傷んで雨漏りなどの原因になる防水シートを取り換えて、屋根材自体は再利用するというもので、屋根材の寿命が長い瓦屋根で行われることが多い工事です。
葺き直し工事では、防水シートと下地はしっかりと修理することができますが、屋根材が元のものなので家の見た目はほとんど変わらないというのが特徴です。
2メリット・デメリットを比較
2-1 それぞれのメリット・デメリット
葺き替え工事も葺き直し工事も、下地と防水シートはしっかりと修理することができる工事です。
どのような違いがあるのか比較してみましょう。
●葺き替えの特徴
<メリット>
・屋根のイメージを一新できる
・選ぶ屋根材によっては耐震性の向上が期待できる
・屋根材の機能をしっかりと回復させることができる
<デメリット>
・新しい屋根材の分、費用が少し高くなる
●葺き直しの特徴
<メリット>
・屋根材を処分しないので環境への負担を軽減できる
・家のイメージを変えたくない場合でも不安が少ない
・屋根材を再利用するので費用を少し抑えられる
<デメリット>
・一部修理が必要な場合、同じ瓦が手に入らないことがある
・屋根のイメージを変えたくてもそれほど変わらない
葺き替え工事の場合には屋根材を新しくすることになるので、耐震性や防水性など、屋根材によって欲しい機能を得られるというのが大きな特徴でしょう。
特に耐震性の面では、瓦屋根は屋根材の中で最も重いため、軽い金属屋根に葺き替えた場合には屋根の重さを8分の1~10分の1程度にまで軽くすることができます。
屋根が軽くなると、家への負担が軽減されるだけでなく、建物全体の重心が低くなることで地震の際に揺れにくい家になります。
葺き直し工事の場合には、それまでの瓦を再び使用することができるので、廃材を出さず環境への配慮になることや、屋根の外観が大きく変わらないため、思っていたイメージと違ったなどをいうことにならずに済むことなどが、メリットと言えます。
瓦屋根はそもそも耐久性が他の屋根材に比べて非常に高く、40~60年程度、長いものでは、80年以上持つものもあると言われています。そのため、瓦自体は丈夫でほとんど傷んでいないにも関わらず、中にある防水シートなどが先に劣化してくるということがあります。
葺き直し工事は防水シートと下地のみを修理できるため、必要な工事を無駄なく行える工事と言えるでしょう。
2-2 費用や工期、耐用年数を比較
では、葺き替え工事と葺き直し工事は費用にどれくらいの違いがあるのでしょうか?
●費用の違い
費用については大きく違うのは、既存の瓦を処分する費用がかかるかどうかと、新しい屋根材の材料費がかかるかどうかです。
葺き替え工事の場合には、撤去した瓦を処分するのにお金がかかりますが、葺き直し工事では撤去した瓦をそのまま使用するので処分にお金はかかりません。また、新しい屋根材を購入する材料費についても抑えることができます。(ただし、瓦を設置する作業は同じように行われるため、安くなるのはあくまで材料部分の費用です。)
屋根の面積が80~100㎡程度の一般的な戸建て住宅で施工したとすると、費用の目安と内訳は以下のようになります。
葺き替え工事 | 150~200万円 |
---|---|
葺き直し工事 | 120~180万円 |
詳細項目 | 単価 |
---|---|
既存屋根材の撤去 | 1,500~2,500円 /1㎡ |
既存屋根材の処理 | 1,500~2,500円 /1㎡ ※葺き直し工事にはなし |
下地の補修 | 1,500~2,500円 /1㎡ |
防水シート | 500~800円/1㎡ |
新しい屋根材の施工費 | 5,000~15,000円 /1㎡ ※葺き直し工事では設置の費用のみ |
足場 | 500~1,500円/1㎡ |
管理費、諸経費 | 工事費用の 5~10% |
費用は業者によって異なります。
●工期について
一度瓦をすべて撤去して、もう一度設置するという工程は、どちらの工事であってもほぼ変わりません。
そのため、工期については、葺き替え工事であっても葺き直し工事であってもほとんどかわらず、7日から10日前後であることが多いようです。
●耐用年数について
屋根材の土台になっている下地や防水シートは、葺き替え工事、葺き直し工事、どちらの工事でもしっかりと補修や取り換えが可能です。
そのため、瓦そのものがかなり古くなっているなどの場合を除き、耐用年数はそれほど大きな違いはないでしょう。
ただし、瓦とはいえ種類によっては20~30年程度で耐用年数を超えてしまうものもあり、陶器瓦でも50年以上を超えると劣化してくる可能性もあるため、そういった場合には葺き替え工事で瓦ごと新しくした方が、将来的には良いでしょう。
3瓦屋根リフォームのポイント
3-1 葺き替えと葺き直しどっちを選ぶべき?
瓦屋根といっても、いくつかの種類があります。
葺き直し工事ができる条件として、瓦の状態が良いことが挙げられますが、瓦の中でも耐用年数がそれほど長くないものもあります。
耐用年数が長い陶器瓦(釉薬瓦)の場合は問題なくできることが多いですが、耐用年数が30年程度のいぶし瓦やセメント瓦などでは、防水シートが傷んでくる頃には瓦も一緒に傷んでしまっている可能性もあり、葺き替え工事をしてしまった方がいいという場合もあります。
また、モニエル瓦の場合には耐用年数の範囲内であっても、製造会社が既に解散してしまっているため、同じ種類の瓦を手に入れることが困難です。
部分的な傷みがあった場合には、他の種類の瓦をその部分だけ入れることもできますが、見た目などが他と変わってしまうなどの可能性もあります。
葺き替え工事と葺き直し工事のどちらを行うか迷った場合には、まずは瓦そのものの耐用年数がどの程度かを確認しましょう。
その上で葺き直し工事でも問題がないのであれば、費用面を重視するか、瓦を変えることによる機能性アップなどのメリットを重視するかを考えてみるのがおすすめです。
3-2 リフォームのタイミング
瓦屋根のリフォームを行う場合、原則としてカバー工法は行うことができません。
陶器瓦の場合には表面に既に釉薬という塗料が塗られているため、スレートのような塗装によるメンテナンスも必要なく、リフォームをする場合には葺き直し工事か葺き替え工事ということになります。
瓦屋根自体は耐久性が非常に高く頑丈なことで知られていますが、瓦の下に敷かれている防水シートの耐用年数は20~30年程度であると言われています。
万が一、瓦の表面の状態が良いにも関わらず雨漏りなどが起きている場合は、この防水シートに不具合が起きていることも考えられますので、早めに対策を行いましょう。
また、20年未満であっても、部分的な割れやズレ、漆喰の不具合などが起こる可能性はあります。
頑丈な瓦とは言え、台風などによって割れやズレが起きてしまうことや、一部破損した箇所から雨漏りなどを起こす可能性がありますので、目視でわかる範囲でこういった不具合を見つけた場合には、気づいた段階で補修を行いましょう。
3-3 瓦屋根の葺き替え工事で選べる屋根材
葺き替え工事を行う場合、再び瓦屋根を選ぶこともできますが、瓦以外の屋根材を選ぶパターンも少なくありません。
屋根材にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、自宅に合ったものを選びましょう。
施工費用 | 耐用年数 | 特徴 | |
---|---|---|---|
陶器瓦 | 5,500~15,000円/㎡ | 40~60年 | 費用は高いが、高級感のあるイメージと、耐久性の高さが特徴。重量は他の屋根材と比べて最も重いので、耐震性の面ではやや劣る。厚みがある分、遮音性や遮熱性に優れている。 |
軽量瓦 | 7,000~12,000円/㎡ | 30~50年 | 陶器瓦よりも軽い素材で作られた瓦。費用はやや高くなるが、家のイメージを瓦のまま変えず、軽量化で耐震性を高めたい場合にはおすすめ。 |
ガルバリウム鋼板 | 5,000~7,500円/1㎡ | 20~30年 | 重量が非常に軽く、陶器瓦の10分の1程度の重さのため、耐震性を高めることが可能。ただし、瓦のような重厚感がないことや、遮音性、遮熱性が劣ることがあるというデメリットも。 |
エスジーエル鋼板 | 約6,500円/㎡ | 30年以上? | ガルバリウム鋼板より耐久性が高い屋根材として開発されたもの。費用はガルバリウム鋼板とそれほど変わらないので次世代の屋根材として注目されている。 |
スレート | 4,000~7,000円/㎡ | 15~30年 | 新築で採用されることが多いため葺き替え工事ではそれほど選ばれないが、初期費用が安く施工しやすいのが特徴。ただし10年に一度程度の塗装工事やひび割れの補修など、メンテナンスは多く必要になる場合がある。 |
アスファルトシングル | 5,000〜9,000円/㎡ | 15~20年 | 日本での普及は少ないが、モダンな印象で、重量も軽いため耐震性に優れた屋根材。施工できる業者が少ないため、業者選びはやや難しい。 |
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3-4 まとめ
葺き直し工事は、下地や防水シートの修理をした後に、元の瓦を再利用する工事です。
新しい瓦を購入して設置する葺き替え工事と比較するとそれぞれにメリットやデメリットがあります。
新しい瓦の材料費や処分費がかからないため少しだけ安くなることが多いと思っておくのが良いでしょう。
瓦屋根の施工は職人の技術が問われる部分もあるため、専門知識をしっかりと持っている、瓦屋根専門の職人に依頼するのがおすすめです。
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