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【事例で解説!】金属屋根修理の費用と基礎知識を、金属の種類別に徹底解説


屋根材には様々な種類があります。瓦、スレート、アスファルトシングル……それぞれにメリットはありますが、軽さや耐震性の側面で優れているのは金属屋根です。中でもトタンやガルバリウムは人気があり、多くの建物で使われています。

本記事では人気の金属屋根について、材料ごとの特徴やメンテナンスにかかる費用、事例、修理をするためのチェックポイントについてご紹介します。

金属屋根のメリット・デメリットと主な特徴

1-1 メリット・デメリット

金属屋根とその他の屋根材では質感に大きな違いが出ます。金属ならではの硬質な雰囲気はデザイン性の高いおうちにもぴったり!

おしゃれな空気を演出することができます。

金属屋根のメリット、デメリットは以下のように整理できます。

【メリット】

・屋根全体が軽くなるので、耐震性の向上に役立つ

・加工しやすい

・瓦やスレートに比べると隙間ができにくく、雨漏りしにくい

・モダンなイメージに仕上がる

【デメリット】

・屋根が薄いため、強風でめくれる場合がある

・振動・音・熱が伝わりやすい

・錆に弱い

1-2 金属屋根の種類と特徴〜単価・耐用年数・メンテナンス時期等

金属屋根と一口に言っても、金属の種類によって性質は大きく変わります。

次に、材料別の違いについて簡単にご紹介します。


①トタン:

鉄版を亜鉛メッキで覆い、錆びにくく加工をしたもの。

加工が容易で値段も安いため非常に人気がありましたが、強度が低く錆びやすいことから現在では基本的に住宅に使われることはありません。

主に工場や倉庫の屋根に使用されています。


    ポイント

    ・軽くて扱いやすい

    ・値段が安い

    錆に弱く、頻繁にメンテナンスが必要

    ・断熱性が低い(夏は非常に熱くなる)


②ガルバリウム鋼板:

ガルバリウムとは亜鉛とアルミニウムの合金のこと。ガルバリウム鋼板は鉄の表面にガルバリウムでメッキを施した板を指します。

トタンに比べると遥かに耐久性が高く、長期間使い続けることができます。コスト、耐久性、メンテナンス性などを考えると、非常にバランスの良い屋根材です。

近年リフォームを中心に非常に人気があります。


    ポイント

    トタンの約5倍の耐久性・熱反射性を持つ

    ・錆びにくい

    費用はやや高いが、耐久性等別の機能まで考えるとバランスがいい

    ・施工に高い技術が必要

    結露が起きやすい(耐熱性を高めるために隙間なく並べる必要があり、湿気の逃げ道がなくなりやすい)


③ステンレス:

鉄を主成分として、クロムやニッケルを加えた合金です。非常に耐久性が高く錆にも強い一方で、コストは高め。初期費用はかかっても長持ちする素材を使いたい方におすすめです。


    ポイント

    耐久性が非常に高く、錆にも強い

    ・薄くて軽い

    初期費用が高額


④銅:

伸縮しやすく、加工しやすい銅は屋根材にも活用されています。基本的にメンテナンス不要で機能的には優れていますが、施工できる業者が少ないのがデメリットです。また、費用も高額になります。


    ポイント

    ・耐久性が非常に高く、錆にも強い

    ・薄くて軽い

    メンテナンス不要

    初期費用が高額

    ・施工に高い技術が必要


⑤チタン:

軽量で強度も高く、機能的には非常に優れたチタン屋根。基本的にメンテナンスフリーで50年以上使い続けることができます。

また、時間が経つと色合い・風合いが変わるため、本皮のように経年変化を楽しめます。


    ポイント

    耐久性が非常に高く(50年以上)、錆にも強い

    ・薄くて軽い

    ・メンテナンス不要

    経年変化を楽しめる

    非常に高価

ただし現在日本ではあまり製造されておらず、費用が非常に高額です。


それぞれの屋根材について単価、耐用年数、メンテナンス時期を整理すると以下のようになります。

金属屋根の種類別単価、耐用年数、
メンテナンス時期
項目 単価 耐用年数 メンテナンス時期
トタン 4,500~7,000円/1㎡ 10~20年 7~10年
ガルバリウム鋼板 5,000~7,500円/1㎡ 20~30年 10~15年
ステンレス 10,000~14,000円/1㎡ 30~50年 20~25年
18,000~23,000円/1㎡ 40~50年 25~30年
チタン 45,000~65,000円/1㎡ 50年以上 25~30年
※海辺の地域では、塩害により耐用年数が短くなることがあります。
※屋根材の厚みや施工業者によっても価格が異なります。

金属屋根のメンテナンス

金属の種類によっては全くメンテナンスがいらないものもありますが、一般に普及しているトタン屋根やガルバリウム屋根は定期的な補修が必要です。

金属屋根のメンテナンスには大きく分けて塗装・カバー工法・葺き替えの3つがあります。

2-1 メンテナンスの種類

①塗装

塗装には美観を回復させるだけでなく、防水効果を高める効果があります。

塗装の剥がれから水が侵入すると錆が広がって雨漏りにつながることもありますので、必ず塗り直しを行いましょう。

特にトタン屋根は日々のチェックとメンテナンスが重要です。

塗装用の塗料の値段は以下のように整理できます。

金属屋根塗料の費用・相場、耐用年数
塗料 単価 耐用年数
アクリル樹脂塗料 1,000~1,500円/1㎡ 5~8年
ウレタン樹脂塗料 1,600~2,100円/1㎡ 7~10年
シリコン樹脂塗料 2,000~3,000円/1㎡ 10~13年
フッ素樹脂塗料 3,500~4,500円/1㎡ 15~20年

②カバー工法

既存の屋根の上から防水シートと新しい屋根材を重ね、2重にする工事です。

雨漏りなど既存の屋根の下地に異常がない場合に行います。

廃材がほとんど出ず解体・撤去の手間がかからないことから、コストを大幅に削減できます。

ただしトタン屋根は下地までダメージが進行していることが多く、カバー工法で全体補修を行えない場合もあります。(波型トタン屋根も適用外です。)

カバー工法で修理できるかどうかは業者にチェックしてもらいましょう。


③葺き替え

既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根に葺き替える工事です。

時間と費用がかかりますが、雨漏りしているケースなど下地までダメージが及んでいても根本から改善することができます。

将来のメンテナンスにかかる費用を考えて、トタン屋根からガルバリウム鋼板屋根に葺き替える例も多いです。


2-2 メンテナンス費用の相場

金属屋根のメンテナンス費用について、大まかに整理すると以下のようになります。

金属屋根対応可能な屋根修理方法
(100㎡の費用・相場)
工法 費用・相場
屋根葺き替え
工事
100~250万円
カバー工法 50~120万円
屋根塗装工事 30~100万円
※屋根材の種類によって単価は異なります。

屋根材によって単価が異なり、費用にはかなり幅が出ます。

例として、トタン屋根のメンテナンスを考えてみましょう。


①トタン屋根の塗装

塗装のダメージと軽微な錆は塗装工事で対応できます。

100㎡の屋根の場合…

・高圧洗浄 約200円(1㎡あたり)

・下地処理 約500円(同)

・シリコン塗料 約2500円(同)

・足場代 約15万円

→約47万円

※安い塗料は劣化も早いため、コストパフォーマンスを考えるなら高品質塗料がおすすめです。

※部分的な張り替えも可能です。1㎡あたり1万円弱必要になります。


②トタン屋根のカバー工法

トタン屋根の上にガルバリウム鋼板屋根を重ねる場合の例です。

100㎡の屋根の場合…

・防水シート 約800円(1㎡あたり)

・ガルバリウム鋼板屋根材 約7000円(同)

・足場代 約15万円

→約93万円


③トタン屋根の葺き替え工事

トタン屋根の上にガルバリウム鋼板屋根を重ねる場合の例です。

撤去費用や板金工事費用、諸費用は業者により大きく異なりますので、概算でご紹介します。

100㎡の屋根の場合…

・既存屋根材撤去費用

・既存屋根材処理費用

・板金工事費用

・下地補修費用

・諸費用

・防水シート 約800円(1㎡あたり)

・ガルバリウム鋼板屋根材 約7000円(同)

・足場代 約15万円

→約100~160万円


費用内訳付き!金属屋根葺き替え工事の事例

金属屋根での葺き替え工事の事例を、見積もり明細とともに紹介します。

●【事例】ガルバニウム鋼板の屋根に塗装工事を検討

>工事内容:新築時より屋根材の色褪せが見受けられたため、塗装工事を行う築15年が経過し、屋根材のガルバリウム鋼板の色褪せが気になり塗装工事を検討。足場を組むため、外壁塗装工事も同時に行った。

工事内容 数量 単価 価格
屋根塗装
高圧洗浄 90㎡ 300円 27,000円
下地処理 90㎡ 400円 36,000円
下塗り 90㎡ 600円 54,000円
上塗り
(2回分)
90㎡ 2,300円 207,000円
足場 230㎡ 600円 138,000円
外壁塗装
高圧洗浄 160㎡ 300円 48,000円
下地処理 160㎡ 400円 64,000円
下塗り 160㎡ 700円 112,000円
上塗り
(2回分)
160㎡ 2,100円 336,000円
コーキング
(打ち増し)
60㎡ 500円 25,000円
その他
諸経費 工事費用の5% 52,350円

合計:1,099,350円

※他、消費税などかかります。

屋根、外壁ともに経年劣化により色褪せやヒビなどが発生します。定期メンテナンスを行う際、足場を組むのであれば屋根と外壁工事を同時に行うことで、一回分の足場代を浮かせることができます。

今回の事例で屋根と外壁塗装を別々に行った場合の施工費 ⇒屋根 485,100円+外壁塗装 759,150円=合計 1,244,250円(+税)

また、塗装に使用される塗料は、種類によって価格が異なります。どの塗料が最適か、業者と相談しながら決めましょう。

金属屋根の修理3つのチェックポイント

金属屋根の異変に気が付きやすい、3つのチェックポイントを紹介します。

    1.屋根材が色褪せている、塗料が剥がれている

    2.錆びが発生している、錆びが進行し穴が開いている

    3.屋根材が浮いている

金属屋根に異変がある場合、雨漏りに発展する可能性が高く、雨漏り発生後は高額な修理工事が必要になります。

4-1 屋根材が色褪せている、塗料が剥がれている

経年劣化などにより、金属屋根の表面に塗装された塗料の効果が薄くなると、色褪せや剥がれが生じます。塗料には防水効果など、屋根材・屋根全体を長持ちさせる効果があるため、効力が衰えないうちに、再塗装を行うことが重要です。

4-2 錆びが発生している、錆びが進行し穴が開いている

塗料の効果が落ちたまま、色褪せ状態を放置すると部分的に錆が生じ、屋根全体に広がっていきます。金属部分にダメージが加わると、雨水が建物内に入り雨漏りに発展します。錆びた箇所を見つけた場合は、速やかに部分交換を行いましょう。

錆びが発生している、錆びが進行し穴が開いている出典:http://xn--rms9i4i661d4ud435c.net/

4-3 屋根材が浮いている

経年劣化や、強風の影響で屋根材が浮き上がる、または剥がれることがあります。一度浮きや剥がれが生じた場所は、風の影響を受けやすく、被害を受けた箇所から雨漏りが発生するため、早めの対策が必要です。

屋根材が浮いている出典:http://ito-cho.jp/

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