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【屋根修理・工事応用編】屋根で行う雪対策で落雪防止!雪下ろしの負担軽減!

冬場、屋根に雪が積もった影響で建物が倒壊する恐れや、屋根からの落雪で近隣トラブルに発展することがあります。事前の雪対策が重要です。

1見積書と比べて安心!雪対策の費用・相場の基礎知識

費用・相場、耐用年数、工期について

工法 費用・相場 耐用年数 工期
雪止め設置(足場なし) 10~30万円 30~80年程度 1~3日
雪止め設置(足場あり) 25~60万円 30~80年程度 2~4日
無落雪屋根 100~250万円 15~30年程度 7~10日
※費用・相場と耐用年数は面積と使用する屋根材、工期は面積と天候によって差が生じます。 ※雪止めの設置の際、屋根の勾配によって足場が必須になる可能性があります。

2自分でできる!雪対策「雪下ろし」について

屋根に上り、スコップなどを用いて行う雪下ろしは、自分でできる雪対策として用いられています。

1.必要な道具

  • ・スコップ
  • ・スノーダンプ
  • ・雪庇落とし
  • ・樋(とよ)

●スコップ

丸型は固い雪には適していますが、あまり量を運べないという欠点があります。多くの家庭は四角いスコップを使用しています。素材は鉄・アルミ・プラスチックといった物がありますが、プラスチックは軽くて使いやすい反面、固まった雪には適していません。

●スノーダンプ

除雪はもちろん、屋根の雪下ろしにも最適なスノーダンプ。金属製が主流でしたが、近年では、女性でも扱えるようにと軽量かが進み、プラスチック製のスノーダンプ(通称:ママさんダンプ)が登場しています。

スノーダンプ▲スノーダンプ出典:https://www.joetsutj.com/

●雪庇落とし

雪が解けて一気に屋根から落ちてくると、軒が重みで壊れてしまうことがあるので、その前に、軒にぶら下がっている雪やつららを雪庇落としを使って落とします。

●樋(とよ)

屋根の雪下ろしの際、滑り台のように雪を下ろす道具です。樋を使うことで、落としたい場所に雪を落とすことができます。

2.雪下ろしの注意点

・気温や風量などの天候に気をつける→気温が0℃を超える日や日差しが強い日は、屋根の雪の底面が溶けて、大変滑りやすくなっています。ケガをしないためにも気温の低い日を狙って作業を行いましょう。また風が強い日や吹雪の日もバランスを崩したり、足を踏み外す恐れがあるので、避けましょう。
・一人で作業を行わない→雪下ろしは明るい時間帯に行い、二人以上で行うようにしましょう。万が一を備え、作業中は声掛けを行うことが重要です。

ここがポイント POINT雪下ろしで発生する事故の多くは一人での作業中に発生しています。やむを得ず一人で行う場合には、家族や近所の人に声を掛けてから作業を始めるようにしましょう。

・屋根の素材・勾配の関係で滑りやすくなっている→積もった雪が落ちやすい金属屋根は滑りやすく、勾配の角度が大きい場合は足元が不安定になります。また転落の恐れがあるため、端や雪庇には近づかないようにしましょう。
・落雪にも気をつける→屋根の下に通行人がいないかどうか、周りの安全に気を配る必要があります。

3.雪下ろしの手順

STEP1:準備
雪下ろしを始める前に雪の積もり具合を確認し、どこから登るか、どこに雪を下すかを事前に決めます。窓ガラスや灯油タンクなど壊れやすいものが下にある場合は、板をかぶせるなど対策を講じましょう。勾配屋根では、雪止めの有無を確認します。雪止めのない勾配屋根の作業は危険なため、雪止めを設置するか専門業者に依頼などしましょう。

STEP2:足場の確保
はしごがずれないように、棟か軒の位置に真っ直ぐ立てます。一人で登ることはせず、必ず地上ではしごの補助をしてもらいましょう。上る時は靴底の雪を落とします。道具は屋根の上に登り終えてから受け取るようにします。

STEP3:アンカーの強度確認
アンカー(命綱の固定場所)は強度があるか確認をします。

STEP4:命綱をつなぐ
アンカーと命綱をつなぎ、命綱を屋根から落ちない長さに調節した上で、ハーネス(安全帯)とつなぎます。命綱の長さは軒先から1mほど、雪庇を落とす際は50cm程度になるよう調整します。

STEP5:開始
10cmぐらい厚みを残して雪下ろしを行います。全部下ろしてしまうと、屋根材で滑ってしまう恐れがあります。

3施工で変わる!雪対策「雪止め」について

雪が滑り落ちるのを防ぐ雪止めは、積雪量が多い地域でよく用いられる雪対策です。

1.基礎知識

雪止め 出典:https://www.taiheinagaoka.com/

工法 費用・相場 耐用年数 工期
雪止め設置(足場なし) 10~30万円 30~80年程度 1~3日
雪止め設置(足場あり) 25~60万円 30~80年程度 2~4日
屋根に積もった雪が気温上昇によって溶け、滑り落ちるのを防ぐ装置です。ほとんどの屋根に釘やビス・コーキング(ボンド)で取り付けることが可能です。「アングル」と「羽根つき」の2種類があります。費用は、建物の構造、屋根の形状・勾配・雪止めの材質(ステンレス・アルミ・亜鉛メッキ)によって変わります。

●雪止めをつける位置

軒先から40~80cm離れた(正確には外壁の真上になる)位置が適切です。軒先は重みに弱いため、重たい雪が軒下に長時間あると傷み、軒先が曲がることがあります。また、軒の下地部分に雪水が入り凍ることで、野地板や垂木が腐食します。

2.雪止めの種類

  • ・雪止め瓦
  • ・雪止め金具
  • ・雪止めネット

ここがポイント POINTほとんどの雪止め後付が可能です。

●雪止め瓦

通常の瓦とは異なり、大量の落雪を防ぐために輪型や駒型の雪止めが設置されている瓦です。設置は普通の瓦と取替えるだけなので非常に簡単です。

雪止め瓦▲雪止め瓦出典:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/rakuyou/index.html

●雪止め金具

スレート用の雪止め金具です。雪止め金具の出っ張り部分を引っ掛け、取り付けた上からスレート材を設置します。

雪止め金具▲雪止め金具出典:https://www.oriental-h-s.jp/

●雪止めネット

屋根材と積雪の間に取り付けることで落雪を防止します。スレート系の屋根・金属屋根など全ての屋根に最適です。屋根に合った色を選べるので、外観を損なうことはありません。

雪止めネット▲雪止めネット出典:http://blog.livedoor.jp/hss_taiyou/

3.雪止めのデメリット

・屋根が重くなる→積雪量によって、雪の重量で屋根に掛かる負担が大きくなります。
・結露が生じ、木材が傷む→室内の暖かさと屋外の寒さで「結露」が発生します。この結露が木材を傷める原因となります。
・サビが屋根にうつる→金具の雪止めは屋根より早く錆びてしまいます。錆びにくいステンレス製もありますが、電食してしまい、結果錆びてしまいます。

4施工で変わる!雪対策「無落雪屋根」について

 

1.基礎知識

無落雪屋根 出典:http://www.e-yane-matsuura.jp/index.html

工法 費用・相場 耐用年数 工期
無落雪屋根 100~250万円 15~30年程度 7~10日
無落雪屋根は、雪下ろしや雪止めと違い、屋根そのものをリフォームして落雪を防ぎます。雪が落ちる心配が少ないため、毎日の雪下ろしの手間や危険がなくなります。

2.無落雪屋根の種類

  • ・フラットルーフ式(ルーフフラット式)
  • ・スノーダクト式
  • ・勾配屋根式

●フラットルーフ式(ルーフフラット式)

ほぼ平らな形状の屋根で「陸屋根」とも呼ばれます。雨水を流すため、緩やかな傾斜がついています。防水工事をしっかりと行う必要があります。

フラットルーフ式▲フラットルーフ式出典:https://zeh.jp/

●スノーダクト式

屋根の中心にスノーダクトと呼ばれる溝がある屋根です。中央の溝に雨水を集め、排水します。建物自体は四角い箱のように見えるので、一見平らな屋根に見えますが、実際は緩い勾配がついています。

スノーダクト式▲スノーダクト式出典:https://zeh.jp/

●勾配屋根式

勾配のある屋根へ横桟と呼ばれる雪止構造が取り付けられた屋根です。

3.無落雪屋根のデメリット

・雪が積もった重みで建物全体に影響が出る→積雪量によって、雪の重量で屋根に掛かる負担が大きくなります。ドアが開きにくくなる、外壁にヒビが入るなどの影響が出る可能性があります。
・雨漏りの可能性が高くなる→特にスノーダクト式の場合、中央の排水部が凍ることで排水が困難になり、雨水が屋根の上に溜まりやすくなります。結果、雨漏りに発展することがあります。
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